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メンタルのおおきな影響:精神的な不安感、不妊、妊娠、出産 0216

精神的な不安感があると、不妊治療もいったいどうしたらいいのかわからなくなってしまいますね。

イラスト がっかり 辛いまた生理が来てしまったがっかり感。
周りの人がどんどん妊娠していく疎外感。
流産してしまった辛さ

精神的なストレスは生理の状態を悪くし、また妊娠しにくくなるという悪循環もよくみます。

なにがご自身に必要なのかということを、しっかりと見極め、前に進んで頂けたらといつも願っています。

☆メンタルの不調で体調悪化、妊娠出来ないという症例

今回は、せっかくの妊娠したものの心拍確認後に流産。その後、体調もがすぐれず、精神的な不安感が強く辛い日々を過ごしていらっしゃる方です。

何が必要なのか、
どうしたらいいのか、
一緒に考え、無事に妊娠にたどりつきました。

ご紹介していきますね。

☆ご相談 【流産後の不妊、精神的な不安定感】

27才 女性です。パートで勤めをしています。
周りの人がどんどん妊娠していくのであせっています。
3年前に結婚し、1年ほど前に妊娠出来ました。
でも、10週で流産してしまいました。
それからなかなか妊娠出来ません。
生理周期も非常に長く不安定で、基礎体温表もバラバラです。
生理前にとても精神的に不安定になります。
このところ、動く気力もでず、体重もへってしまいました。どうしたら早く妊娠、出産出来るでしょうか?
精神的にもこの1年とても不安定で気分の落ち込みもひどく困っています。

全体の体調:
2年前から急に果物や花粉のアレルギーが強くなっている。
首から下に痒みがでやすくい。
アレルギーやかゆみは季節の変わり目や、入浴後、睡眠不足などのときにつらい。
食欲は普通、美味しくご飯は食べられる。
食後にいつもお腹が張る。間食はよくとり、水分を2リットル以上とる。
便通はすっきり。小便は1日に10回以上で夜に時々トイレにおきます。
寝つきはよく、寝起きもよく、夢をよくみる。

婦人科の状況:

生理は35日周期で不規則(28日から42日ぐらい)
生理は出血したときの色、粘った膜などがまじる。
生理の量は普通、7日間ぐらい続く。
生理痛はほとんどなく、排卵時の痛みもめったにない。
高温期は胸がはったり、イライラするが問題というほどではない。
生理に伴って手首足首がとても冷え、精神的な不安定さが大きくなる。
流産してそろそろ1年たつのに妊娠出来ないので、不妊治療を受けようかなと考えている。

どうしたら早く妊娠出来るのでしょうか?

☆ご相談にお答えして 【現状を把握して前にすすみましょう】

流産残念でしたねえ。とくに心拍も見え一安心した後の流産でしたからとてもショックだったと思います。辛かったですね。

妊娠OKになってから、タイミングをとっていらっしゃるのになかなか妊娠出来ないのですね。もともと生理周期も不安定で排卵がわかりにくいこともあって妊娠しずらくなっているのかなと思います。

お身体を拝見していると、胃腸の問題と精神的な課題(メンタルの弱さ)が大きいですね。

・なにかあると胃に来る
・体重が下がりやすい
・胃腸のツボの反応が弱い(左脾兪(BL20)からの陥凹、左の公孫(SP4)から大都の陥凹)

メンタルの弱さは、ちょっとしたことでストレスとなり身体への大きな影響となってしまうのかなと思います。メンタルが胃腸の問題につながり、逆に胃腸の弱さがメンタルの弱さを引き出しているともいえます。また体表観察上からも胃腸のツボの弱り、メンタルの課題は明確です。
またストレスは排卵にも影響しがちとなり、妊娠への悪影響となってしまいますね。

妊娠する力はある、自分を信じよう!

妊娠する力は十分あります。
辛い出来事で、精神的に不安定になったことで、胃腸の負担となり、その悪循環でよりストレスをおこしやすくなり、排卵にも影響がでてしまうという悪循環になっています。お身体をちょっとしっかりさせていきましょう。自然とストレスにも強くなります。大丈夫ですからあせらずに前に進みましょう。

☆不妊治療への具体的アドバイス

①胃腸の力を取り戻し、生命力をupさせ、自信の持てる身体を作る

②排卵障害気味ということについて、
皮膚の殻の厚さ(上焦における肺気の実)、ストレス(肝鬱)が感じられます。ただし、29日から40日で排卵があるのならば、さほど気にしないということでもOKです。

③半年ぐらいは、細かいことは忘れて(←ここ大事です)自然妊娠狙いをしましょう。この間に、不妊治療専門クリニックを受診し、一般検査をしていただき、基本的な課題を整理しておきましょう。

④体重をもう少しあげましょう。BMIで19.5は常に越えるようにしましょう。

⑤ストレス解消の範囲で、気楽な働きに出るのもよいかと思います。

☆東洋医学的な診方:弁証論治治療方針

脾虚肝鬱 肺気の実
益気補脾 (疏肝理気) 補肺
脾胃の力を上げることを中心とし、肝気についてはあまりいじらない。肺気は肝気の突き上げによって負担となっているので、肺気を充実させ肝気の衝き上げにまけないようにしていく。

治療経過 

初診:大巨(ST27) 関元(CV4)、左合谷(LI4)、左外関(TE5) 左陽池(TE4)、三陰交(SP6) 左足三里(ST36)、三陰交(SP6)、大都(SP2) 肺兪(BL13)、脾兪(BL20)、三焦兪(BL22)、次髎(BL32)

以来週に1−2回の鍼灸治療。
不妊治療クリニックにて、排卵があり、数値は正常なのでカバサールは不要と言われ服薬中止。フーナー検査が不良(ただし、1度妊娠が成立しているので様子をみる)

8ヶ月後自然妊娠
5wで胎嚢がみえるものの、小さめと言われた。ここから鍼灸治療を週に4回にしていく。つわりがだんだんきつくなってきた。
12週を無事に越えて妊娠継続。鍼灸治療を週に1−2に戻す。
32週、里帰り出産のために帰省
無事のご出産報告をいただきました(*^_^*)

イラスト ツボ セルフケア

おめでとうございます。

症例、アンケートはこちら

良好胚を何度移植しても妊娠出来ません、どうしたらいいでしょうか?【case:0331】

不妊治療は様々な要因で前に進まないことがありますね。

30代半ばの女性、体外受精にステップアップ。
1度の採卵で数多くの卵ができ、胚盤胞も多く凍結ができています。

しかしながら、なかなか結果がでず、すべて妊娠反応が出なかったということで
どうしたらいいのか道に迷ってしまってのご相談でした。

この症例の患者さんからのアンケート

☆ご相談:早く妊娠したいです。体外受精をしていますが、一度も妊娠反応がでません、どうしたらいいでしょうか?

 

早く妊娠したいと思っています。
体外受精に進み、9個採卵出来、良好胚が胚盤胞で凍結できました。
もうすでに4個移植しましたが、一度も着床したことがありません。
どうしたら着床、妊娠、出産できるのでしょうか?

 

☆ご相談にお答えして

妊娠出来る可能性の高い胚盤胞を何度も移植しているのに、
一度も妊娠反応がでたことがないのですね。
それはとても辛いですね。一緒に考えていきましょう。

まず、卵の状態はよいようですね。年齢的にも35才の卵であれば、大きな問題はないのではないかと思います。まあ、このあたりは確率の問題なのでなんともいえないところですが、現段階では卵側の要因は除外してよいと思います。

一度も着床していないということから、着床障害の問題を考えるべきかと思います。
様々な検査がありますが、お勧めするのは血流問題の課題解決と、子宮内膜炎の問題でしょうか。

血流は血の巡り。今お身体を拝見していて
・ストレスによる気の停滞
・上焦(身体の上部)での心熱
・胃腸の力の弱さ

ストレスによる気血の阻滞が身体の上部では肩こりなどになり、中部、下部ではオ血内湿という不要な物の排泄が上手く行かないという状態になっているのかと思います。そしてこの状態が妊娠に大事な子宮(女子胞)の力、そして子宮(女子胞)の力の支えとなる腎気を落としています。

良好胚が出来ると言うことは、それなりに妊娠する力があなたにはあるということです。
ストレスを溜め込まず、気血の巡りをよくし、妊娠へ一歩前に進みましょう。

また血流という点で、足先の冷たさは少しきついと思います。これは不育症である血液凝固系の亢進という状態に該当する可能性を感じますので、不育症のクリニックに着床障害の問題で検査を受けてみるのもよいかと思います。がんばっていきましょう。

・弁証 腎虚肝鬱 心熱オ血
・論治 益気補腎 疏肝理気

☆☆妊娠へむけての具体的なアドバイス

1)ストレスをコントロールし、気血の巡りをよくするためにも、
鍼灸治療と自宅でのセルフケアお灸をしていきましょう

2)血の巡りをよくする、ビタミンACEの摂取を心がけましょう。

3)足の交代温冷浴をしましょう。

4)胚移植をしてから、着床、妊娠判定、2回目の心拍確認ができ、妊娠10週を越えるところまでは、しっかりと鍼灸治療を週に3回程度いれて、赤ちゃんの袋に血流が届き、充分大きな胎盤が出来るようにしていきましょう

☆治療経過、着床、妊娠、出産へ

不妊鍼灸治療開始
移植周期スタート
胚盤胞移植→妊娠せず。
今までと違い、内膜は厚くなっているといわれたが、結局妊娠出来なかった。
→アドバイス、不育症クリニックを受診して着床障害の検査をお勧めする。
→着床障害の判定と、子宮内膜炎の指摘があった。抗生剤を飲んでラクトフェリンを摂取

移植周期スタート
胚盤胞移植→妊娠 少し動くと出血がある。
出血はあるものの、妊娠している。その後も少し動くと出血や茶オリはあるものの、鍼灸とアスピリンは継続

39週にて、無事に3000㌘越えのベビちゃんを出産。おめでとうございます。

☆あとがき

長い道のりでしたね。しっかりと前に進まれてたくましいお母さんになりました。
子育て楽しんでくださいね(^^)

 

この症例の患者さんからのアンケート

妊娠中の吐きづわり・悪阻を軽減させたい!楽になるための対策方法を 解説!(症例:0330)

ーーー
・つわりの時、吐いても全然スッキリしない!
・お腹減ったら気持ち悪いし、食べても気持ち悪いのが治らない!
・安定期に入っても、吐き気が続いてずっと苦しい!助けて!
ーーー

ある程度赤ちゃんが大きくなり、吐きづわりが辛くなっている方は多いと思います。
そのような方は「吐きづわりの軽減方法がネットに様々載っているけど、結局どれを試せば軽減できるの?」と困っているのではないのでしょうか?

私は1996年から不妊専門クリニックを開業し、12万件以上の臨床を行ってきました。
その中で吐きづわりの傾向・対策を見つけることができました。

そしてこの記事では、迷わずこれを実践すれば回復できる吐きづわりの軽減できる対処方法を解説していきます。
この記事を読めば「吐きづわりになってしまう理由とつわりから解放できる方法」が全てわかります。

結論「休む・寝ること」「身体そのものの力をつけていくこと」が大事になっていきます。

つわりとは何か?

 

つわりとは「赤ちゃんをしっかり支えるための動き・反応」です。決して病気ではありません。

赤ちゃんを抱えているお母さんは、身体の下からしっかりと赤ちゃんを支えるように上向きのベクトルが強くなります。
上向きベクトルは赤ちゃんを守るための動きですので、ある程度のつわりは仕方がないところです。
胎盤がしっかりと出来上がれば過度の上向きベクトルは不要となり、妊娠11-14週当たりでつわりもおちついてきます。

参考:上向きのベクトルとは?

ベクトルとは、五臓にどのような関係性があるのかを示す、方向性と大きさのことを指します。これは東洋医学における考え方です。
詳細は以下の記事を参考にしてください。

1:気の巡り。人間理解のポイントだにゃん(気の昇降出入)

吐きづわりが起こる理由とは?

吐きづわりが起こる理由は、
「食べる下向きベクトル < つわりの上向きベクトル」と上向きベクトルが過剰になっているためです。

胃腸は上から食物が入り、下に向かって消化吸収されていきます。食べるとつわりが一旦治まるのは、食べ物が上から下へという下向きベクトルが出るからです。しかしながら、つわりの上向きベクトルが強いので、上向きベクトル過剰となりそれが吐き気につながっていきます。

また上向きベクトルが過剰になる要因は「身体が疲弊していること」「身体が弱っていること」が大きいです。身体が疲労状態にあると、赤ちゃんを守らなくては!という上向きベクトルが強くなり、つわりも辛くなっていきます。

参考:つわり、妊娠中は便秘も起こりやすくなる。

つわりの時期は便秘にもなりやすいです。
理由は吐きづわりと同様に
「便通の下向きベクトル < つわりの上向きベクトル」

このように、上向きベクトルが過剰になっているためです。
便通の下向きベクトルで身体から排泄を行ないます。上向きベクトルの影響を強く受けると便秘がちになります。

吐きづわりを軽減させる方法3選

吐きづわりで悩んでいる人へ、楽になるための方法を解説します。

まず「休む・寝る」

先にも説明しましたが、上向きベクトルが過剰になる要因は「身体が疲弊している」ためです。
まず「休むこと・寝ること」に取り組み、なるべく疲労をしない生活を心がけていきましょう。夕方につわりが辛くなる人はとくに『休みたい』という身体のサインだと思ってくださいね。

あまりにもつわりが辛い場合は「病院へ受診を」

あまりにもつわりがひどく、水分も取れないという状況であれば、病院を受診し対処方法を相談してください。
点滴や入院など、なんらかの軽減方法を得ることができます。
また、病院で対応してもらっているという安心感はとてもつわりによいですよ(^^)

参考:鍼灸治療という選択肢は有効か?

鍼灸治療ではベクトルの調整を行うことができます。
ただし赤ちゃんを守るために働いている上向きベクトルは必要な動きですので、このベクトルの直接対応はしません。
例外として過度な上向きベクトルになっている場合は、身体そのものの力をつけるための手立てをすべきです。
鍼灸治療を取り入れ、上向きベクトルと上手に付き合えるように調整していくことが可能です。
ただし、このベクトルを意識して治療していくことは非常に微妙な調整となります。ついつい『つわりという症状をとること』を優先した治療になってしまう場合が多いです。つわりなど、妊娠初期の対応に経験のある鍼灸師さんにお願いしてくださいね。

つわりが長く続いてしまう場合も「身体そのものの力をつけていく」

時に出産のころまでつわりが続き、身体の疲労感が強いまま出産になってしまうケースがあります。
身体の状態が悪いままの出産は、より体調の悪化を招き産後のトラブルにつながりがちです。
出産時までがご自身の身体を余裕ある状態にし、出産を迎えましょう。体調アップを最優先で生活していくことが大事です。

実例:辛い吐きつわりが楽になった症例

つわりが辛い・吐いてしまう・食べられない状態から、診療・治療したことで改善した実例を紹介します。

症例 (0330)
吐きつわりで体重減少、鍼灸でつらい症状が緩和(39歳出産)

年齢:38歳
妊娠:9週目
状態:
吐きづわり:妊娠8週を過ぎた頃からつわりがきつくなり始めた。現在吐きづわりが治まらず、そのせいで3kgも減少した。
嘔吐:食べられない状態なのに、何か食べると吐いてしまう。
頭痛:一日中頭痛もつらく、とくに夕方から悪化する。横になると楽になるが、動いていると悪化する。
疲労:子供も小さく面倒を見ている・仕事もしている・つわりと重なり、疲労いっぱいとなっている。

東洋医学的診立て

体重も3キロ減っているため、お体の疲労感が強いと予想します。
動いているとより悪化する頭痛も、お体の疲れによって強くなっているのかと思います。
身体の力を少し補うことで、体調を良くした方が良いと考えます。

弁証論治

弁証:腎虚肝鬱瘀血 肝脾不調和
論治:益気補腎 益気補脾

治療方針

身体の底力である腎気をアップさせることを第一とします。
そして脾気をあげ、体調を整えます。
上向きベクトルは赤ちゃんを支える動きですので仕方がありません。なるべく休養をとるように指示します。

治療経過

(初診)
以下の鍼灸治療を行いました。
・お灸:右外関・陽池
・鍼+お灸:足三里・陰陵泉
・パイオネックス:右内関
・棒灸:中注・臍・関元
・鍼+お灸:脾兪・腎兪・次髎

(治療後)
適宜鍼灸治療を行なったことで、結果吐きづわりが減り、食べられる状態に戻りました。
また頭痛も一日中から夕方だけになり、だんだん痛みも無くなってきました。

(出産まで)
以下の鍼灸治療を行いました。
・棒灸、お灸、鍼:大巨 関元 臍 脾兪 胃兪 三焦兪 腎兪 次髎

(最終結果)
無事出産することができました。

院長の所感

鍼灸治療をくわえることで、なんとか体調を安定させ、辛い症状が緩和できました。
つわりだけではなく、むくみや疲労感、身体の冷え、お腹の張りなどにも鍼灸が効果的だったようでよかったなあと思います。

上手に妊娠ライフとのお付き合いをされた結果、スムーズな出産となりよかったと思います。

家族皆さんが妊婦さんを支えて、産まれてくる赤ちゃんをとても楽しみになさっていました。ステキな妊婦さん、ご家族のありよう。応援が出来てよかったです。

そして赤ちゃんの誕生を心待ちにしているお子様のお話とても楽しかったです。妊娠中を一緒に寄り添い過ごせたこと、とても嬉しかったです。
賑やかな生活がはじまりそうですね。赤ちゃんを中心としたご家族の楽しい日々。応援しています。

まとめ:吐きづわりを軽減させるには、身体の力をつけることが重要!

 


つわりは赤ちゃんを支えるための正常な動きです。しかし辛い思いをしている方もたくさんいらっしゃいます。

過度なつわりになっている方は、「身体が弱っている」ことが原因で辛くなっていることが多いです。吐きづわりでも同様です。
「休む・寝る」「身体の力をつける」ことができれば、吐きづわりを軽減できます。

身体の力をつける場合は、鍼灸治療も一つの手です。必要に応じて診療相談することをおすすめします。
辛い症状を緩和させて、上手な妊娠ライフを目指していきましょう。

 

母乳がよい!GABAとラクトフェリンの違い:京都女子大学のセミナーから⑥

脳の発達、胎児と栄養:京都女子大学のセミナーからその⑥です。

 

食事でこんなに変わる、脳の発達や病気  / 京都女子大学 辻 雅弘先生

YouTubeは京都女子大学 食事でこんなに変わる、脳の発達や病気

ブログでは、①、②、③、④、⑤ととりあげています。

その①https://bigmama-odawara.jp/blog/archives/4655

その②https://bigmama-odawara.jp/blog/?p=4661&preview=true

その③https://bigmama-odawara.jp/blog/?p=4672&preview=true

その④https://bigmama-odawara.jp/blog/?p=4689&preview=true

その⑤https://bigmama-odawara.jp/blog/archives/4692

脳の発達、胎児と栄養:京都女子大学のセミナーからその⑥です。

YouTube

食事でこんなに変わる、脳の発達や病気  / 京都女子大学 辻 雅弘先生

 

 

脳の発達、胎児と栄養:京都女子大学のセミナーからその⑥です。

YouTubeの18.33から最後のまとめとなっています。学生さん向けのセミナーなので、栄養学の発展について、また面白さについて述べられています。私もこの臨床研究と基礎研究の違いは面白かったです。どうしても、基礎研究の部分や介入試験などは臨床では出来ない部分。学術研究を期待します。

 

☆過去は変えられない、お母さんを責めないで

 低体重で生まれると、iqが低く、多動などの問題をもつかの黄精が高い

 妊娠中に魚を沢山食べたり、母乳育児だと子供のIQが高くなる

 →でも、母乳中のどの成分がよいかは不明

基礎研究(辻先生の研究室)

 低出生体重自と同じ症状のモデルラットを開発した

辻先生は、ここで、いままで人工乳やお母さんが魚を食べないという状態の方々へのフォローを話しています。

栄養学は進歩している、こういったデーターはいままでなかった。かえって昔は魚が水銀を含んでいて危険だと言われ妊婦は食べないようにという警告もあった。だから皆さんのお母さんのせいではないんですよ。

では、基礎研究の話しをしますね。と、お話をつづけられています。

 

☆脳の興奮性を増すグルタミン酸、抑制する増すGABA

スライド33(20.01)では、大脳皮質感覚野の脳地図を出しています。

 

ラットの足。この図は人間の図もよくみかけますね。

親指を刺激すると、脳のある部分が電気的に活性化する。

人差し指を刺激すると隣が反応する。

低出生時で生まれると、感覚野がいびつになり、小さくなる。

これはフランスのジャッコラビコックの研究です。

☆神経伝達物質、グルタミン酸とGABA

そして、スライドの34(21.07)からは、具体的な栄養素でお話が続きます。

細胞と細胞の間はやりとりしている。そのやりとりに神経伝達物質がかかわる。

神経伝達物質としての、グルタミン酸とGABA
低出生体重だと興奮性を増すグルタミン酸が↑、抑制するGABAが↓

低出生体重だと神経細胞の興奮性が増して、抑制性が減るということです。

また、スライド35(21.58)では、脳内物質の分布を可視化し、抑制性神経伝達物質であるGABAは視床下部に集まり、低出生体重で多動のラットでは、GABAの集積がみられないんです、つまりあまり分布がみられないということがわかって何匹もやってみたんですというお話がされています。(再現性が大事なので)

スライド37だと、正常体重で生まれたラットの視床下部にはGABAが視床下部にあるが、低出生体重のラットではほとんどわからないと。

☆低出生体重が多動などの障害をおこす機序(22.44

スライド38では、低出生体重が多動などの障害をおこす機序を図で説明しています。つまり

低出生体重

まず感覚が変わる→大脳感覚野での配置が変化する

次に→神経細胞の興奮性が増して、抑制性が減る

特に→GABA(抑制性神経伝達物質)が視床下部で減る

このような機序で多動がおこると考えられています。

(他の研究室では他の機序も説明しているのでこれはひとつです。)

では、最後に治療の話しをします。

 

☆治療は母乳、ラクトフェリン

治療には母乳がよいとお話しされ、ラクトフェリンという成分が非常に大きな役割を果たしているとされています。

·母乳と人工乳の違い

人工乳と母乳の違いを比べ、牛乳で少なく母乳で多いものをさがされています。
また、新生児を対象とする実験は非常に難しい。人の臨床試験の難しさは格別。そして母乳だと非常に研究がしやすいという利点はあるとのこと。だから母乳がよいという実験はしやすいんですねえ。このあたり、他の物をよいものとし難い点もみえてきますね。

つまり、母乳以上によいものがあったとしても、その実験は難しいわけです、倫理的に。

母乳の成分:ラクトフェリンについて

1)牛乳には少ない。母乳に多い。
2) →血管endothelial cell内皮細胞のトランスサイトーシスによって、blood-brain barrierを容易に通過

脳の中にはなかなか成分は行ききにくいですね、blood-brain barrier(血液脳関門)があります。

そのなかで、ラクトフェリンは届きやすいという点が、GABAとの違いとなってきます。
そして、ラクトフェリンは内臓脂肪を減らしやすいと言うことでいまはサプリまででているので手軽にとることができる。

ここで先生は、ラクトフェリンについて、赤ちゃんの脳障害、行動障害によいということがわかれば、すぐに人に応用出来るという可能性を秘めているとされています。ラクトフェリンの摂取を現段階で赤ちゃんの脳障害、行動障害の治療に結びつけられてはいないということなのでしょう。

 

☆まとめ 妊娠中や赤ちゃんの栄養はとても大切

臨床研究では、妊娠中や赤ちゃん時代の栄養は脳の健やかな発達にとって重要である。

基礎研究では、低出生体重児が多動となるのは脳内の抑制性神経伝達物質の減少がひとつの原因です。(2627

母乳の有効性は明確なので、母乳の成分を用いた治療法開発をおこなっている。

最後のスライド(26:40)栄養学の発展には、臨床研究と基礎研究の両方が必要である。

臨床研究では、観察研究と、介入研究との違いを考慮して結果を解釈することが重要である。以上です、これで栄養学に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

 

☆98才の隣のおじいちゃんは毎日タバコを吸っている、
だからタバコが健康によい???

ここまでの、辻先生のお話を聞いていると、この話しがおかしいのがわかります。
つまり、臨床としてみれば、

・98才で元気に生きている長寿のおじいちゃんがいる。

・毎日ぷかぷかタバコを吸っている

・だから、タバコを吸うと98才まで生きられる!

ってな論理は大間違いなわけです。

・98才で元気に生きている長寿のおじいちゃんがいる。

この事実に基づき、もっと大規模なデーターをあつめ、同じく長寿グループでのタバコを吸っている率を見るべきでしょうし、同じ対照群でタバコを吸っているグループと吸わないグループのデータ。そして介入実験までするということが求められるといういお話をされているわけです。

世の中には、このような話しは山ほどあります。
私自身も、自分自身の体験から、自分によい、患者さんによいといったことを
お話ししています。それはかなり用心深くしなければならないという戒めだと感じます。

栄養や健康に関する介入は、非常に難しい側面があります。
用心深くしながらも、
私達の生活を前向きに押し進めてくれる可能性のあることを
体験をもとにしながら知り、前に進めていきたいと思います。

ありがとうございました。
それにしても、栄養学の実験、論理って面白いですねえ。
栄養という成分分析しやすいものでも
こんなに研究、観察を積み上げていくことが必要なんですね。

庭の金柑、だんだん色付いてきました。どんな栄養が喉にいいのかな(*^_^*)

akiko yoneyama

 

胎児と栄養、やはり魚:京都女子大学のセミナーから⑤

脳の発達、胎児と栄養:京都女子大学のセミナーからその⑤です。

 

食事でこんなに変わる、脳の発達や病気  / 京都女子大学 辻 雅弘先生

YouTubeは京都女子大学 食事でこんなに変わる、脳の発達や病気

ブログでは、①、②、③、④ととりあげています。

その①https://bigmama-odawara.jp/blog/archives/4655

その②https://bigmama-odawara.jp/blog/?p=4661&preview=true

その③https://bigmama-odawara.jp/blog/?p=4672&preview=true

その④https://bigmama-odawara.jp/blog/?p=4689&preview=true

脳の発達、胎児と栄養:京都女子大学のセミナーからその⑤です。

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食事でこんなに変わる、脳の発達や病気  / 京都女子大学 辻 雅弘先生

 

多動の障害や低くなったIQをどうやったら治せるのか?

臨床の話しに戻ります。
どうやったら、低くなったIQや多動の障害を治せるのか?栄養が少し足りないからというお話が始まります。

そして栄養が足りないからIQが低くなったり、多動になるのであれば、治すのも栄養で治せないかと言うことが考えられますということで、論文のデーターをだしています。

そして人を対象とした論文でその答えが見つかっていますとされ、アメリカ食品医薬品局の報告書(8:41)2014をだしています。

 

魚なんですねと思いますが、一筋縄ではいかない論理展開です(^_^;)

魚を食べる人と食べない人の比較

19枚目のスライドでは、魚をほとんど食べない人から食べる人まで10項目で並べたんですと説明(左端の欄) 

 

魚を食べる上位5%は一週間に360グラム(12.7オンス)食べていた

その生まれた子供→ほとんど食べない人を0として、妊娠中にお母さんがたべればたべるほど、IQがあがる

データー的にいうと、3.9上がる。

そして20枚目のスライドでは、魚の摂取とIQというタイトルで、
妊婦が週に2回シーフード(230グラムから340グラム)を食べると、子供のIQ33上昇すると、お話しされています。

妊婦が週に2回シーフード(230グラムから340グラム)を食べると、子供のIQ33上昇する!ううむです。

辻先生の一人突っ込み

ちょっと待った!確かシーフードには水銀などもあり妊婦は控えた方がよかったんじゃなかったですか~という一人突っ込みに、先生は最近分かったことなんですよ、お母さんを恨まないでね(^_^;)と話していました。うううむ。ただし、マグロは、注意が今でも必要ですよね。(きはだまぐろ、びんなが、めじまぐろ、ツナ缶はOKです)

詳しくは厚生労働省のお魚について知って置いて欲しいことというりんくがありますので、参考になさってくださいね。

☆生まれたときに低出生体重児だったらどうすればいいのか。

ただし、これは生まれる前の話し。産まれたときに低体重だった場合はどうすればいいのかという話しが続きます(10/13)

イギリスの研究 早産児300人に7才時点でIQテスト

22枚目のスライドでは、母乳で育った子供は人工乳で育った子供よりもIQが83高かったとされています。偏差値で56の違いです。

じゃあ、みなさん、お母さんが母乳で育ててくれたらIQ83もたかったのかと考えちゃいますよね。でも、それだけでは論文データとしてはダメなんです。(10.13

 

☆観察研究だけではダメ、母乳で育てたら=OKとはいえない。

これは観察研究なので、母乳で育てたら83高いとはわからない。

そもそも、母乳と人工乳で育てようと思ったお母さんは違う。

母乳を選んだ人は、母乳だけの影響かどうかわからない。

最近ではこれだけのデーターだけでは信頼されない!

最近ではこんな論文では信頼されないんです、補正が必要です。

☆補正10項目を入れた母乳栄養と知能、30才の収入の相関関係をみる

家族の月収、両親の学歴、妊娠中の喫煙、母親の年齢、妊娠前のBMI、分娩様式、在胎週数、出生体重、一家の資産至数、祖先(ヨーロッパ系、アフリカ系、先住民系の割合)この10項目の補正をいれてデーターをみていきます。

結論として、(12.36

25枚目のスライドで、母乳栄養の期間

1ヶ月未満 基準
3ヶ月
6ヶ月
12ヶ月

の期間を区切り、母乳で育てた期間が長いほどIQが上がるとしています。
また、30才時点での月収もあがるとしています。でも、まだ観察研究

☆介入試験をせねば、信頼出来るデーターとはならない。

介入試験をせねば! 信頼出来るデータとはならないという説明です。さすが大学の先生、そんじょそこらの、『これをすればバッチリ!』系のお話とは違います。

コインをふって、表がでたら強制的に母乳で育ててくださいと振り分ける。
コインの表裏。

そういった強い介入する。

これで、母乳群と人工郡かがわかれる。

母乳栄養に関する大規模無作為割り付け試験のスライドで、ベラルーシの赤ちゃん17000人。6才児にIQテストをおこなったということを説明し、母乳で育った子供は、6才児にIQ59高かったとしています。

これで、母乳がよいということが結論づけらたとしています。

これはすごい研究だけど、倫理的にできるのか?と。お話ししながらこの実験の経緯を説明されています。そして、結論として、母乳をすごく推奨するとのこと。

また、スライド28(16.15)は、生後10ヶ月から4才までの健康な乳幼児133人において、大脳白質の体積をMRIで計測

母乳対人工乳大脳白質が増えるとの結論を述べています。

☆スライド29(16.53)では、母乳のどの成分がよいのか?

母乳にはいっぱいの栄養素が入っている
多価不飽和脂肪酸→子供の脳の発達によいのではないかというお話をされています。

また、そのなかで次のスライドでは、ω−3脂肪酸(魚などに多く含まれる)の話しをされ、ドコサヘキサエン酸(DHA) エイコサペンタエン酸(EOPA)、Ω−6脂肪酸などの話題を出され、さて、本当にこれはいいのか?ということでの検討がなされているとしています。

多価脂肪酸の説明です。このあたり、私の頭には難しい〜。

そして、スライドの31番目では、沢山の論文がある。すべてまとめて再解析しているということで、次のお話になります。

 

補充による有用性は認めない!

·早産児に対する長鎖多価不飽和脂肪酸の補充

·正期産児に対する長鎖多価不飽和脂肪酸の補充

補充による有用性は認めなかった

なんと!これら多価脂肪酸を補充してもダメなんですねえ。さすがデーターに裏付けられた論文の世界。厳しい現実をちゃんとつきつけていますねえ。