[2023/06/01:更新]
概要
同居している親族たちからの『早く子供を!』のプレッシャーが強いストレスとなり体重が減少、生理周期も非常に不安定になりかえって不妊状態が強くなってしまうという状態でした。鍼灸ですんなりストレスコントロールができ、9診での妊娠ー出産につながりました。
(この症例の弁証論治→頭痛 肩こり、妊活、周囲からのプレッシャー)
【case:0007】
ご相談内容
『結婚して、舅姑、祖母祖父から「早く孫を!」と常に言われています。精神的に辛く、体重がおちたり、30日ぐらいだった生理周期が90日近くになってしまっています。
病院へは2年ほど通っていて、基本的な不妊の検査は良好でした。ドクターは取り立てて問題がないから、もう少しこのまま排卵誘発などして、様子を見ましょうと言うことです。夫はまだ一度も病院に行ってくれていませんし検査もしていません。また若い頃から肩こりが辛く、目の疲れも辛いです。ストレスで食欲不振と成りご飯が食べられないときもあります。
どうしたら、早く赤ちゃんが授かるのでしょうか』
東洋医学的診立て
子供をというさまざまなプレッシャーで押しつぶされそうですね。ご主人とよく話し合って、いままでご自身の肩だけに乗せてきた不妊のプレッシャーを半分受け持ってもらいましょう。
気分転換をして、楽しく生活できる工夫をしてみましょう。治療院でお教えしたお灸を毎日ご自宅でなさってくださいね。ご主人に手伝ってもらうと楽でやりやすいですし、いままで赤ちゃんのことは奥様にまかせっぱなしのご主人にとっても、一緒に考えてくれる良い機会になるのではないかと思います。
お若い二人です、早くコウノトリが来てくれますように!
不妊治療についてですが、結婚して3年。女性側の排卵を誘発するばかりの治療ではめどが立たない段階なのかもしれません。ご夫婦でよく話し合い、ご主人の検査もすまさる必要もあるでしょう。
体外受精はまだ考えたくないということ、また年齢的にもお若いですし、とにかく、ストレスがきつい今の身体の状態を改善し、生理が規則的にくる状態にしていきましょう。1年ぐらいは東洋医学で様子をみてもよいと思われます。
生理が規則的にくるようになっても、妊娠が成立しなければ、IVF-ETなどのステップアップも視野に入れましょう。
東洋医学的診立て
弁証:腎虚肝鬱
論治:益気補腎 疏肝理気
治療経過
遠方のため2週間に一度の鍼灸治療、毎日の自宅施灸
初診時治療:列缺ー足三里(灸頭鍼)ミニ灸合谷、列缺 右申脈ー臨泣 三焦兪腎兪(鍼、温灸、ミニ灸)ミニ灸右次髎
診経過後:生理前のイライラが減少、生理の塊が沢山出た
4ヶ月後、9診にて自然妊娠。妊娠後も1,2週間に一度の鍼灸治療。31歳無事の出産。
あとがき
妊娠を希望して3年あまりの不妊経過でしたが、9回の鍼灸治療をおこない、4ヶ月ほどでスムーズに妊娠出産されました。ご主人をどうやって病院に引っ張っていこうかと患者さんと二人あれこれ楽しく!考えながらの時間が過ぎるうちに、あっという間にコウノトリがやってきました。それほど「ストレス」や「プレッシャー」というのは、身体に、そして妊娠に悪影響を及ぼすのですねえ。
無事に第一子を授かったあとは、続けて、第二子、第三子とご出産なさいました。子だくさんを望んだご本人や、同居のおじいちゃん、おばあちゃん、おおじいちゃん、おおばあちゃんのお喜びが目に浮かぶようです。賑やかなご家族なのでしょう。