概要
ストレスによる肩こり、頭痛、不眠などの症状や、子宮筋腫、ポリープなどの体調不良はあるものの、体調をよくし、不妊治療をスムーズに前に進めることで妊娠、出産につながりました。
(この症例の弁証論治→ストレスで肩こり、頭痛、不眠、筋腫、妊娠したい 32歳)
(この症例の患者さまの声はこちら→「妊娠中の鍼灸治療の満足度に関するアンケート」11-3)
【case:0200】
ご相談内容
32歳です。30歳で結婚後、早く妊娠したいと思っていますがなかなか妊娠しません。基本的な不妊治療の検査も受けましたが、特段の問題も指摘されていません。
もともと肩こりや頭痛がひどく、自分としてはストレスなのかなと思っています。最近は基礎体温を測り始めたことで、そのことが気になり、夜中に目が覚めることが多くて困っています。
肩こりは生理とも連動していて、生理が始まる時には朝から肩がとてもつらく、生理3,4日目に肩こりから頭痛まで起こしている感じがします。生理が終わる頃にはまた普通に戻ります。
どうしたらいいでしょうか?
東洋医学的診立て
早く妊娠したいというご希望、そして肩こり頭痛などストレスによって強くなる症状が辛いと言うことですね。
不眠も、基礎体温を測ると言うことがストレスになり、何度もおきてしまっているということで、色々な事に目を配り、気を配り、そのことがとても負担になるタイプなのかと思います。
ストレスタイプであることで全身の気血の巡りが悪くなり、停滞しがちな部位で滞ってしまいます。仕事は肩や頭をよく使いますね。また生理の時期には子宮周りに気血が集まります。この集まることで、私達は必要な活動をしていくわけですが、過度の集まりが辛い症状となり、筋腫やポリープを作ってしまいます。
鍼灸はこういった、集まりすぎて停滞して辛い症状にはとても効果的です。体調を改善させ、色々な課題を前に進めていきましょう。
東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚肝鬱
論治:疏肝理気 益気補腎
ビッグママからのアドバイス
お体を拝見すると、それなりに身体の力はありながらも、ストレスが強く気血の巡りが悪くなってしまっています。また、冷えの入り込みもあるため、より凝り固まりを強くしていると思います。
ストレスそのものは誰もがあるかとは思いますが、身体に強い影響を与えてしまうタイプだと思います。色々な事に充分な努力をされていると思います。少し肩の荷を降ろして、ご自身に必要なするべき事だけをしていくようにすると、ご自身が楽になるのかなと思います。
不妊治療に関しては
(1)ストレスによる阻滞をとりのぞき、全身の体調をもう20%程度よくなることを先ず第一にしていく。
(2)婦人科疾患の既往があるので、妊娠を先延ばしせずに、必要な治療は進んで受け、一歩前に進める。
(3)身体の土台作りを心がけ、子宮を中心とした臍下丹田の力をつけていく。
治療経過
初診から週に1度程度で鍼灸治療。
8ヶ月後、妊娠〜無事に出産。
あとがき
色々と真面目に考えられる方なので、お仕事によるストレスがとても強かったと思います。素直にカラダ作りをされ、スムーズに妊娠、出産へとつながりました。
婦人科疾患の既往がある方は、妊娠を早くしようという思いがあり、早めの挑戦となるために、案外妊娠ー出産がスムーズに行くことも多いなと感じます。
ご自身にとって必要な情報を集め、人生を前に進めていくことが大事だと思います。無事なご出産、おめでとうございます。