カテゴリー : 不妊・婦人科 コラム

男性不妊の改善と食生活

ご主人側の要因でなかなか不妊治療が上手く行かない、子供が授からないというケースを案外多く見かけます。

WHOの基準値

WHOから提示されている男性の精液検査の数値です。

精液量:1.5ml以上
pH値:7.2以上
精子濃度:1ml中に1,500万個以上
総精子数:3,900万個以上
精子運動率:32%以上
精子正常形態率:15%以上
精子生存率:58%以上
白血球数:1ml中に100万個以下

この基準を満たさないケースは多いと思います。精子の濃度が500万を切ると一般不妊治療では結果を出すのが難しく、体外受精・顕微授精を考えるきっかけになるのかと思います。濃縮洗浄をしてもらうと自然妊娠が期待できるレベルになるという方でしたら、何度か人工授精に挑戦してみるのはよいかと思います。

自然妊娠、人工授精共に、男性側の数字がよかったときに成功!という例を何度も経験しています。不妊治療において、やはり女性側だけではなく、男性側も重要ということですね。精液所見は非常によく変わります。それは良いレベルにも、悪いレベルにも変わるということです(ただし、顕微授精レベルの方が自然妊娠レベルにあがるというのは難しい感じがしますね。)

体外受精顕微授精へのステップアップ

男性側の要因で体外受精、顕微授精へとステップになることはよくあります。逆に言えば、男性側の要因はこの二つの治療法によってご自身への負担が非常に少なく解決できるという大きなメリットでもありますね。ただし、この治療法でも精子そのものの状態が良いことは、結局妊娠ー出産につながる大きな鍵になると思います。体外受精は出来た、胚移植も出来た、でも妊娠出来ないというときには、精子の質そのものを考えてみるべきだと思います。

基準について

精子の濃度の低さ、運動率の悪さなどによって、人工授精などによる自然に近い形での妊娠が難しい場合の体外受精適応は、各施設によって基準の違いはあると思いますが、総運動精子数が100万~1000万個程度で不妊期間が2年以上といった状況で体外受精へのステップアップを提示される場合が多いようですね。