『冷え性なんです』
『身体が冷えるんです』
『冬なんか、靴下を4枚ぐらいはきます』
『手足が冷たくて、アンカをいれないと眠れません』
冷え性で悩んでいる方は多いですね。少しでも手足が暖かくなればなあと思っている方たくさんいらっしゃるのではないかと思います。
『血の巡りが悪いから冷えるんでしょうか?』
というご質問を受けることがあります。これには大きく二つのお答えがあります。温める力はあるが、なんらかの原因で血を巡らせることができずに冷える人と、温める力自体を身体が作ることができずに冷えているタイプです。
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1)全身の気の流れが滞っているためにおこる冷え性
2)身体を温める力自体が不足しているためにおこる冷え性
このように言いましても、実際に冷え性の方のお体を拝見すると、1)や2)の原因が単独で存在しているというよりも、両方の理由がミックスしているときのほうが多いように思います。鍼灸治療をしますと、気の巡りがよくなったり、身体を温める力がつき、冷え性がだんだんとよくなります。ただ、ご本人の生活上の養生も大切です。
身体を冷やすモノに注意してください。
アイス、冷たい飲み物、ヨーグルト、アロエなどなどたくさんありますね。
よく歩きましょう。
歩くことで、身体に陽気が生まれてきます。
また、胃腸を健やかにするためにも歩くことは大事です。
1)全身の気の流れが滞っている(気滞)ためにおこる冷え性
ある方に、一箇所だけ鍼をしましたところ、みるみると全身がほかほかしてきたということがありました。これが典型的な全身の気の流れが滞っておこるタイプの冷え性です。
手足が冷たいので、ご本人は冷え性と言うことでお悩みでしたが、全身を温める力を作ることは出来ていれば、気の流れの滞りをとることでいっきに体中がほかほかしてくるタイプです。
こういったかたは、手足は冷たいのですが、逆に身体の中心には熱がたまることになり、熱欝といった便秘、いらいら、腹痛、湿疹などという熱のための症状を引き起こすことがよくあります。
お風呂をつけて、かき回さないでおくと、上部ばかりが暖かく、下の方は水のときがありますね。このときのかき回す力が、全身をめぐる気の力です。食物などを消化吸収して得た暖かいエネルギーを全身に上手に巡らせることが大切です。この巡らせる力に異常があると、手足にまで暖かいエネルギー(陽気)がめぐらず、冷え性だなあということになります。
2)身体を温める力自体が不足している(気虚)ためにおこる冷え性
私たちは口から入った食物を、消化吸収し、いろいろなエネルギーを作り出します。
身体の力の根本ですね。
消化吸収する胃腸の力(脾胃の力)が弱いと、上手くエネルギーを作ることができません。
身体を温めるエネルギー(陽気)も不足してしまいます。
身体を温めるもととなる陽気をしっかりつくれるように、胃腸の力をしっかりつけていきましょう。食物からのエネルギーを受け取ることのできる身体作りをめざすのです。
また、歩くことを中心にした運動もからだを温めるエネルギー(陽気)を作る元です。胃腸を健やかにし、積極的に歩いたり運動したりすることが、温める力をつけるためには必要です。