カテゴリー : 不妊・婦人科 コラム

慢性疲労症候群と呼ばれる症状について

過去に書いた弁証論治に、『強い疲労感 だるさ 背中の痛み 腰の痛み、不妊弁証論治』があります。

この方は、かなりひどい身体の状態(いわゆる虚損病)から、しっかりと立て直し妊娠、出産され、いまではかわいい男の子に恵まれています。

初診時が2005年の終わり。とにかく身体を建て直そうと週に2回の治療を行い、2年後の2007年に妊娠、2008年にご出産。

2011年の時点で5年のおつきあいです。体調も、妊娠、出産を乗り切り、治療を始める前とはかなりかわって、少しづつ充実感が出ています。

その方が、先日の治療のときにふと『私が、米山先生のところに候ったころの状態を今思うと、慢性疲労症候群のようだったと思うのです』と。

確かに確かに。

慢性疲労症候群は、いま時々話題になる疾患ですね。日常生活を送れないほどの疲労が継続している状態ですので、ご本人の苦痛はいかばかりかと思います。この方も、『朝起きて着替えに2時間かかり、そしてそれだけでぐったり』と思い出され、ていました。

そんな話をした同じ日に、私も昔を思うと今が不思議なぐらいですという方が。『産後から続く不調弁証論治』何をしても疲れてしまいぐったりとしてしまう。変に身体が熱くなる というのが主訴でした。

その後、だいぶ回復され、迷いに迷われたすえに二人目の妊娠を決断。無事にご出産なされ、ご自身が二人のお子さんを持つことができたと喜んでいらっしゃいます。

この方も、『衣裳ケースを押し入れに入れるだけでぐったりしてた』などとそのころのことを振り返っています。これも、診断としては慢性疲労症候群や、産後の鬱とされるのかもしれません。

西洋医学の病名がどうであれ、私は四診して私なりの診立てをもって治療をしていきます。しかしながら、深い虚損病や、きつい気虚の方は立て直しに年の単位の年月がかかりご本人の努力も大変です。でも、お子さんを欲しいと思われる30代、40代のかたであれば人生の中では『若い』のです。努力次第では、身体を建て直し、妊娠され、出産していくことも可能だと思います。ただ、妊娠も出産も、大きく生命力が傾くときであり、虚損病(喘息、リウマチ、産後うつ)などのきっかけになるような時期です。用心深く、でも大胆に!子どもを持つという女性にとっては期間限定のイベントを上手に乗り越えて頂ければと思います。

初出:「虚損病の明日」、慢性疲労症候群?からの妊娠、出産。
(ココログ「ビッグママ治療室」2012/08/28)