カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 身体の痛み 30代前半 虚弱体質・疲労 冷え・のぼせ 不妊

偏頭痛、冷え性、8回の人工授精のあとの自然妊娠(32歳出産)

概要

もう何度も人工授精しているのだから、そう簡単には妊娠しないと思い込んでいる状態。身体をリラックスさせていただき気血の巡りがよくなることで、スムーズに妊娠出産にいたりました。

(この症例の弁証論治→不妊・頭痛弁証論治
【case:0058】

ご相談内容

26歳で結婚してから5年たちますがまだ妊娠できません。3年前から病院に通い、2年前からは漢方薬を毎日飲んでいます。人工授精ももう7、8回行いましたし、長らく漢方も飲んでみましたが、効果を実感できません。

もともと強い冷え性で、午後3時ぐらいから疲労感やだるさがでて、そのあと偏頭痛もひどくなります。冷え性は20歳ぐらいからひどくて、最初は手足でしたが、最近はお尻や腰まで冷えたなと感じる範囲がふえてきました。

病院通いもなんだか疲れてしまったので、婦人科に通うのはお休みしようと思っています。また、体外受精などにステップアップしたほうがいいのかどうかも悩んでいます。どうしたらいいでしょうか?

東洋医学的診立て

20代の頃から妊娠したいというご希望で、病院に通ったり、漢方を飲んだりしているのですね。よくがんばりましたね。

お身体の状態をみると、全身のパワー不足。ことに生命の土台となるパワーが不足しています(東洋医学では腎といいます)。このため、上向きベクトルの気が上昇しやすく、頭痛となってしまっています。そしてこの上向きベクトルの気が、土台の力への負担となり、腎気の不足を招き、悪循環となっていきます。

一つのお身体の中に、不足からくる症状と有余からくる症状が混在しています。この混在がなかなか問題を解決しがたくさせる原因です。まず、しっかりと不足を補い身体に余裕をつけていきましょう。場合によってはこの有余の症状にも対応していくこともします。悪循環をたって前向きにがんばっていきましょう。

東洋医学的弁証論治
弁証:肝気鬱結、腎虚
論治:疏肝理気、益気補腎
治療方針:肝気を払うことで、頭痛などの状態を軽くしていく。これ自体も腎気を救うこととなる。また、直接的にも下焦の虚を救い、益気補腎していく。

治療経過

7診目 足がパンパンしてむくんでいたのがなくなってきた。
(問診でそんなことは仰ってませんでした。頭痛や不妊のほうがご本人にとって辛くて重要な問題だったとのこと。また、鍼でこういったことが軽減できるとは思わず、言い忘れていたとのこと。)

10診ほどで頭痛の頻度がひくくなる。
16診 自然妊娠成立!よかったですね。

あとがき

それまで、何度も何度もタイミングや人工授精をなさっていたにもかかわらず、鍼灸治療をはじめて、割合とスムーズに自然妊娠にいたりました。

これは、

1)あれだけ人工授精を繰り返したんだから、そう簡単には妊娠しないぞ、という思いがご本人にあり、鍼灸治療中にご本人が妊娠に対する気負いがなかったこと。

2)排卵チェッカーを的確に使ったこと。(排卵チェッカーは使い方にコツがありますね)

3)鍼灸治療が進み、低温期が短めになり、高温期がしっかり高くなり、生理前のイライラが減少してきたこと。

などがうまく作用した結果だと考えられます。鍼灸治療で、身体の内側の力がつき、全身状態がよくなったため、身体が余裕をもって卵を成熟させることができ、また鍼灸治療で身体の気の欝滞をとっていったため、ちゃんと排卵し、また排卵後も充分黄体ホルモンの分泌があったためと考えられます。

そしてこういった一連の流れが、他からの人工的なホルモンの補充でなく、自力で出来るようになっていったことが、自然妊娠への大きな手助けになったと考えられます。