カテゴリー : 不妊・婦人科 コラム

葉酸と妊娠、サプリ

「葉酸のサプリは取った方がよいでしょうか?」というご質問をよくいただきます。厚生労働省のホームページをみると、この葉酸についての情報提供があります。

『厚生省では、本報告書をもとに検討した結果、神経管閉鎖障害の発症が葉酸の摂取不足のみから生じるものではなく、葉酸摂取は神経管閉鎖障害の発症に関する一因子であるという観点から・・・中略・・当面の間、別紙「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る情報提供要領」に基づく方策を保健医療関係者等を通じて広く一般に周知することとした。』(厚生労働省ホームページより)

つまり、神経管閉鎖障害は葉酸不足だけから起こるものではないけど、葉酸を飲んだ方が発症リスク軽減になりますねっていう話ですね。

そして具体的には、

『野菜の摂取を350g程度にすることなど、各食品について適正な摂取量を確保すれば、1日0.4mgの葉酸の摂取が可能であるが・・・中略・・・等の理由から、我が国において、当面、通常の葉酸摂取量に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mgの葉酸を摂取することとすれば・・中略・・高用量の葉酸摂取はビタミンB12欠乏の診断を困難にするので、医師の管理下にある場合を除き、葉酸摂取量は1日当たり1mgを越えるべきではない。』

長いのでちょっと略しましたが、野菜をちゃんととればOKだけど、なかなか採れないから一日あたり、0.4mgの葉酸をサプリからとるのがよいかもね。ただし、1mgを越えちゃダメだよとのお話しです。

この神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させるために、妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間、葉酸をはじめその他のビタミンなどを多く含む栄養のバランスがとれた食事が必要す。ですから、妊娠してから葉酸に気をつけるのではなく、妊娠前から、つまり普段から積極的に葉酸を含んだ食物をとってほしいです。

葉酸は名前の通り野菜に多く含まれます。また果物にも沢山含まれています。菜の花やほうれん草、春菊などの葉物野菜、ブロッコリー、枝豆などにもたっぷり。他にのり、海藻、納豆、豆、レバー、内臓ごと食べられる貝や小魚にも豊富。葉酸が細胞の新生にかかわる栄養素なので、内臓などの細胞増殖がさかんな場処に分布しているためと考えられます。

食べ方のコツ。
鮮度のよい材料を手早く調理することが大切です。ひかりや熱に弱く酸化しやすいんですよね。葉っぱを買ったらちゃんと冷蔵庫に入れましょう。また、ビタミンB12と相性がよく、造血作用なども働いて効果を発揮することが多々!!。また、ビタミンCには葉酸を活性型に変換させる作用があるとのこと。一緒に取ると葉酸がより強力に働いてくれます。

詳しくは厚生労働省ホームページを見てくださいね。

参考『あたらしい栄養学』吉田企世子 松田早苗監修