カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 40代 不妊 流産

化学流産後の不妊、自宅でのセルフケアで自然妊娠(40歳、42歳出産)

概要

化学流産後の不妊。自然妊娠40才出産。第二子も続いての42才妊娠出産。

(この症例の第二子の詳細は→逆子の鍼灸、出産前のセルフケアでゆったりと出産(40歳、42歳出産)
【case:0210】【静岡県】

ご相談内容

38才です。化学流産を半年前にしてから、妊娠していません。年齢が高めですので早く妊娠したいと思っています。どうしたらいいでしょうか? 肩こり、首コリがとてもきつく、足首周りも冷えます。

東洋医学的診立て

1度妊娠しているということは、妊娠する力はあるわけです。病院での不妊治療を早くステップアップしたいお気持ちは十分分かりますが、少し整理して考えましょう。

・1度妊娠しているので、キャッチup障害、着床障害、生理、排卵の問題などに大きな問題はない。
・流産後は出血による貧血、妊娠を支える女子胞(子宮)の力が低下。このために不妊となりやすい。
・年齢要因 来月は39才 ステップアップも視野にいれてもよいのかもしれません。一度気になる病院を受診しましょう。
・男性側 妊娠が成立していますので大きな問題は感じませんが、上下変動はあるので健康には気をつけましょう。
・肩こり、首コリのきつさは、気の巡りの悪さを示していると思われます。全身の巡りをよくし、子宮(女子胞)血流をあげましょう。

東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚肝鬱
論治:益気補腎 疏肝理気
治療方針:流産によってそこなわれた腎気を補う。滞りがちな気の巡りを改善させ、女子胞(子宮)の力をアップさせる。

治療経過

1)左外関、陽池、三陰交 左太谿 左KI6(照海) 大巨
2)肺兪
3)右肝兪 胃兪 腎兪 次髎 

自宅施灸 大巨 左KI6(照海) 三陰交 左陽池 背部兪穴
週に1−2度の鍼灸治療 自宅
6ヶ月後に自然妊娠 無事に出産

第二子は自然に妊娠
妊娠30週、逆子にて来院。病院で24週から逆子で治らない
・子宮(女子胞)血流の低下ではないか。(肝欝気滞がきつく、下焦の冷えと上焦ののぼせ。このために中心の補をおこなってから軽く理気)

1)肺兪
2)脾兪、三焦兪、腎兪、気海兪
3)三陰交鍼+ミニ灸 右至陰に棒灸 腹部棒灸
1回にて頭位に戻った。その後39wまで週に1度程度来院。

あとがき

38才からの不妊治療の取り組み。お仕事をしながらお忙しい日々をお過ごしでしたけど無事に第一子を出産。その後は自然な経過で第二子を妊娠。逆子のケアから出産前後も上手にケアをして無事に二人のお子さんに巡りあう数年となりました。

不妊治療は、大事にしなくても、ちょっとしたケアや身体の手入れで、ちゃんとご自身の妊孕力を高め、年齢が高めであっても自然な経意で妊娠、出産という女性にとっての大きな波を乗り越えることができます。

お仕事と妊娠希望の身体の手入れを上手に両立させ、よい波にのられました。よかったですね。