カテゴリー : ストレス・精神症状 不妊・婦人科の症例集 40代 不妊 婦人科

何も問題がないと言われる状態での10回以上の採卵、移植(44歳出産)

概要

採卵してもよい卵が出来ることが少ない。色々工夫しても全く着床しない。不育着床障害の検査でも問題がない。長年にわたる不妊治療の末の無事の妊娠出産。

(この症例の患者さまの声はこちら→「妊娠中の鍼灸治療の満足度に関するアンケート」11-5)【case:0215】【神奈川県/小田原市】

ご相談内容

体外受精を繰り返しています。AMHも問題なく、夫婦共に大きな問題もないといわれています。38歳から不妊治療に取り組み、人工授精を5回ほどし、体外受精にステップアップしました。

初めての体外受精では、2個取れ、拡張胚盤胞となり凍結でき、移植。残念ながら妊娠出来ませんでした。いま次の採卵周期にはいっていますが、あまり卵胞がでてきません。今後、どうしていったらいいでしょうか?

東洋医学的診立て

なかなか妊娠が成立しないということですね。一緒に考えていきましょう。

お身体の状態ですが、東洋医学的な観点からの問診と体表観察とをくみあわせて考えていきます。

(1)身体への冷えの入り込み→全身の気血の巡りが悪くなる。全身への負担
(2)冷えが入り込んでいるのに、身体の中に熱がある(内熱)→口内炎、ストレス状態の継続
(3)冷えの入り込みや、内熱を解消する土台の力となるべき胃腸の力(脾胃の力)が少し弱いために、身体の内側に湿気(内湿)がたまりやすく、これが気血の巡りの悪さに拍車をかける。
(4)1、2、3の状態が、生殖の力と直結する土台の力(腎気)への負担となり不妊となる。

つまり、上記、1、2、3の状態によって少しずつ積み重なった負担が
身体を支える土台の力(腎気)への負担となり、腎気と直結している生殖の力が今一歩発揮しきれないと言うことになっているのかと思います。

数は少ないながらも採卵がスムーズに出来、胚盤胞まで到達し移植出来ているということは、生殖の力はそれなりにあると言うことだと思います。明確に方針をもってお身体の手入れをすることで、あと一歩の不妊治療を前に進めましょう。

不妊治療に対するアドバイス

・すでに治療周期に入っていますので、しっかりと子宮、卵巣の血流をよくしていきましょう。セルフケアのお灸もおこなってくださいね。

・採卵後はお仕事が忙しい時期であれば、自然妊娠を考えるタイミングにしてもよいかと思います。卵巣に針を刺したということでドリリング効果を狙うことも可能だとは思います。ただ、時間を無駄にしていると考えてしまわず、病院はいけなくても、身体作りに前向きに取り組むことで思わぬ結果を呼び込むことも多々あります。

・年齢要因は確かに厳しいですので、しっかりとしていきましょう。

・お身体の状態の割りに、卵巣の数値であるAMHやFSHはよい数字です。これはもともとは生殖の力はあるタイプだと言うことがわかります。焦らず、気負わず前に進んでいきましょう。

・病院選びは、ご自身の状況にあっていると思います。迷わず頼りにしてよいかと思います。

治療経過

初診:
鍼、お灸:気海(CV6)、関元(CV4)、陰陵泉(SP9)、三陰交(SP6)、右公孫(SP4)右大都(SP2)。
パイオネックス;右の内関(PC6) 陰陵泉(SP9) 
温灸:肺兪(BL13)、右心兪
鍼して温灸、お灸 左腎兪(BL23)、右三焦兪(BL22)、大腸兪(BL25)、次髎(BL32)

セルフケア 気海(CV6)、関元(CV4)、陰陵泉(SP9)、三陰交(SP6) 公孫(SP4)

→すでに採卵周期に入っているので、しっかりと子宮卵巣の血流をあげていく。
→採卵、7個取れる(前回よりも多い個数の卵胞が順調に育った)しかしながら空砲5個。1個胚盤胞凍結→移植→妊娠せず。

その後、仕事の都合などにあわせて採卵をし、凍結胚にして、二段階移植、胚盤胞移植、ホルモン補充周期などの移植などに挑戦するもまったく着床せず。

着床障害、不育症検査
→まったく問題はないと言われる。『まあ移植回数を重ねればいつかは妊娠出来るよ』>ドクターコメント

42歳43歳、採卵、凍結胚盤砲にて仕事などの都合が良いときに移植と計画する。

43歳HR周期にて二段階移植→妊娠→44歳にて出産

あとがき

無事のご出産おめでとうございます。

何か上手く行かない原因があるというわけでもない状態から、ご自身のお仕事を生活の中心としながらも、淡々と採卵を重ね、努力を重ねるお姿、頭が下がる思いでした。

またご主人のお子さんが欲しいというお気持ちが伝わってくる数々のエピソード。きっとご主人の思いがあったから、ここまでお二人でがんばってっくることができたんですね。

産後2ヶ月からの職場復帰、がんばっていらっしゃりますね。漢方薬や少しのお身体の手入れは、これからの人生を支えてくれると思います。

頑張りたいからこそ、少しお時間を取って頂いてケア出来ると、おこさんのため、そしてこれからも元気で働いていくご自身のために非常になると思います。頑張ってくださいね。