カテゴリー : 東洋医学 コラム

ぎっくり腰の鍼灸治療

ときどき、『腰が突然痛くなって・・・』とか、『腰痛が急に悪化して・・』というお問い合わせを頂きます。腰痛、大変ですねえ。腰が痛いと痛みの問題だけではなく、日常生活が送りにくかったり、精神的にも参ってしまいますね。腰、身体の要。大事ですね。私も中学校のときに部活動のテニスで腰を痛め、そこから延々続く腰痛持ちになってしまい大変な思いをしました。

さて、先日、やはり『急に腰痛が・・』ということで飛び込んできた方がいらっしゃいました。数年前に初診を受けられお引っ越しをされた方でした。久しぶりの再会がぎっくり腰!。お身体を拝見すると、腰の部位としての問題の他、お身体そのものが疲れてしまっていることが目立ちました。身体が参れば心が参る。逆に心が参っちゃうと身体もギブアップですね。

治療としては、まずざくっとお身体を拝見。膝周りの腰につながる経絡の弱さを補いました。曲泉という経穴や陰谷というツボに反応が出ていました。そして何よりもお腹の経穴の緩みがきつかったので、温灸でしっかりと温めました。腰が痛いときにはお腹側からいくのが案外よい感じです。その後、首の冷えが気になったので、腰への負担を取る程度に処置。

その後に腰を拝見。緩みのきつい大腸兪などの経穴を補って終了。皮膚の状態が薄くて頼りなかったのでお灸はせずに温灸のみで対応。翌日ももう一度同様に処置。とくに臍にしっかりと温灸をいれました。

1週間後、お身体の手入れでいらしたときに、腰の様子をうかがいますと、2回目の治療後にすっきりし以降問題なしとのこと。うふふです。

まあ、ぎっくり腰といっても色々ありますね。今回の様にすっきり治ったのは、ご本人の腰そのものの問題はあまりなく、身体の疲労が腰の問題として現れていただけだったのではないかと思います。腰の問題と身体の問題がダブルで来ていればこんなにすっきりとはいきません。そして、私の治療タイミングが治りかけの時を応援する様な感じであったのかも知れませんね。悪化傾向にあるときには、やはり難しいし、よくなる傾向のなかを応援できたときなどは、その流れで水面に顔を出す様な感じで楽になれます。それでも、すっきりしていただけると嬉しいな。

使用経穴 大巨 曲泉 陰谷 大腸兪 臍などなど。