カテゴリー : 学会・論文

第64回 全日本鍼灸学会 講演記録『女子胞力を増すことによって、妊娠出産に至った一症例よりの考察』

2015年、全日本鍼灸学会福島大会にて、『女子胞力を増すことによって、妊娠出産に至った一症例よりの考察』を発表いたしましたので、報告いたします。

ビッグママ治療室 米山章子
しゃんてぃ治療院 伴尚志
ビッグママ治療室 八王子 飯塚里惠
一元流鍼灸術

第64回 全日本鍼灸学会学術大会ふくしま大会
2015年5月22日〜23日 ビッグパレットふくしま(福島県郡山市)

女子胞力を増やそう!

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福島大会には、一元流術鍼灸術のメンバー共々参加いたしました。一元流鍼灸術代表の伴尚志先生、ビッグママ八王子の飯塚先生、その他同メンバー2名が参加いたしました。

この症例を選んだ理由

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不妊不育というと、現時点での妊娠していない状況、治療歴や、不育症検査結果から、今後どうしていくかということがステップアップ的に考えられていきます。

このときに、西洋医学では抜けてしまう考えの一つに、その人の『生命力』の問題があります。

何か器質的な決定的な問題があるわけではなく、ご本人の生命力不足のために、不妊をはじめ諸処の問題が出ているときに、西洋医学的には、その諸処の問題を中心に考えることしか出来ていないように思います。そういったなか、東洋医学的な生命観をベースにその方の状況を読み解くことで、妊娠出産に貢献できることが多くあります。生命の余力にある生殖だからこその課題でもあります。

『生殖』は、生きているその人生の流れの中では、

  妊娠を希望しなければ別に病気でもなんでもないということが多くあります。

妊娠を考えるから妊娠出来ないという状況があるわけです。

西洋医学的な様々な検査などでも決定的な要因がない。

妊娠してもおかしくないが、精査すると少しづつ問題点があるように思える。

こんな状況の時には、一つ一つの状況をバラバラとみるのではなく、丸ごと一つの人間として生命をみる『東洋医学的人間観』が非常に大切となります。

本症例も、結婚後2回連続で妊娠するものの化学流産で終わってしまう不育の状態です(抗核抗体も高い)、そして2回目の流産からは1年以上たつのに妊娠出来ない不妊の状態でもあります。

こういったときに、『妊娠するためには何をしたらいいのか?』を考えるのではなく、まず、『今の身体の状況を東洋医学的に考えてみる』ことがとても有用なことがあります。

そしてその上で、東洋医学的なアプローチで全身の生命力をあげ、その中にある女子胞力(子宮)をアップさせることが妊娠出産につながっていくことを多く経験し、この症例でも経験しましたので報告させていただこうと思います。