カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代後半 40代 不妊

9回採卵するも移植チャンスは3回のみ(40歳出産)

概要

37歳の高度生殖医療。9回の採卵周期で移植出来るレベルの卵は3個しか出来ませんでした。ワンチャンスを生かして妊娠、出産。第二子用の凍結胚を一つ残すことが出来ました。

(この症例の弁証論治→少ないチャンスのなか40才で出産した弁証論治
【case:0139】

ご相談内容

37歳から妊娠を希望しています。様々な理由から体外受精に挑戦していますが、なかなか上手く行かず、4回採卵したところで1回しか移植出来ていません。残念ながら化学流産になってしまいました。

年齢もギリギリという感じがしています。足の冷えがとても気になります。どうしたらいいでしょうか?

東洋医学的診立て

もともと腰が悪かったり、膀胱炎になりやすかったりと、東洋医学で言うところの腎の問題を多く起こしていらっしゃいますね。この腎は、子宮をしっかり支え生殖の主導となる臓腑です。

お身体を東洋医学的な四診の観点から拝見すると、
・両腎兪の陥凹、気海関元の奥の冷えなど腎気の弱りが明瞭である。
・大きな脾募、中脘の固さ、心下のつまりなど内湿の存在、脾気の動きの悪さ、強い気逆がうかがわれる。
・大椎の細絡と盛り上がり、右太淵の腫れもあり風邪の内陥も伺える。
この3つの問題が見受けられます。

生命の土台の力(腎気)の弱り、内湿という身体の巡りを悪くする不要物の存在、風邪の内陥という冷えの入り込み。この3つが身体に負担をかけ妊娠をしにくくさせています。少し時間はかかるかと思いますが、じっくり取り掛かり、体調をアップさせ、妊娠ー出産につなげましょう。

東洋医学的弁証論治
弁証:腎の陰虚を中心とする腎虚 風邪の内陥
論治:疎風散寒 滋腎補腎
治療方針:まず第一に生命に負担となっている風邪の内陥をとる。腎の陰気をまし補腎し陰虚熱を納める。内湿に関しては、腎気をたてることで内湿もある程度さばけていくのではないかと思われるが、動きが悪いようだったら脾気にも手を入れて腎気への負担を軽くしていく。