概要
二人目不妊、一人目の妊娠中に切迫早産で入院加療をしており、二人目の妊娠と、妊娠中の健やかな経過を願っての治療です。初診から4ヶ月後に自然妊娠し、妊娠中も鍼灸治療を継続。頚管長も短くならずに経過でき無事に出産となりました。
(この症例の弁証論治→二人目不妊、早産が心配弁証論治)
【case:0088】
ご相談内容
一人目は、少し病院に通ってすぐに妊娠出来ましたが、二人目はもう1年も病院に通っているのに妊娠出来ません。また、一人目の妊娠中は32週から頚管長が短くなってしまい切迫早産と診断され入院していました。今回の妊娠は、上の子供もいるので安静にできないのではないかととても不安です。
このところ、首や肩の凝りがひどくてとても辛いです。ちょっとでも枕が変わるととても凝ってしまいます。上の子供との年の差を考えると、早く妊娠したいです。そして妊娠して入院などをしなくてすむようなしっかりした状態でいけるように身体作りをしたいです。
東洋医学的診立て
早く妊娠したいということと、妊娠したあと早産にならないようにしたいというご希望ですね。東洋医学では身体を三つの部位に区切って考えることがあります。身体の上部(上焦)、胃腸を中心とする部分(中焦)、そして骨盤内臓器や腰を中心とする下焦と呼ばれる部分です。この下焦と呼ばれる部分の生命力が少し不足気味であるのではないかと思われます。
この下焦は、生命をどんっと下支えしてくれる腎気が中心となる縁の下の力持ちです。この下焦の力の不足によって、妊娠しにくい、妊娠が成立してから不安定になりやすい、夜間尿などの問題が出やすくなります。また、身体の奥に冷えが入り込みはびこりやすくなるため、首肩の凝りも継続的にでやすくなってしまいます。しっかりと土台の力(腎気)を高め下焦の生命力を充実させて妊娠をし、無事の安産につなげましょう。
東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚 風邪の内陥
論治:温養補腎 疎風散寒
治療方針:まず第一に風邪の内陥を取り去る。腎気をたて、子宮をしっかりと養えるようにする。