概要
二人目不妊の症例です。第一子出産後から崩していた体調が元に戻ったと思える頃、自然に二人目のお子さんを妊娠されました。不妊というと婦人科的な問題だけを考えがちですが、当たり前のことをする大切さを感じます。
(この症例の弁証論治→二人目不妊、身体を整えて自然妊娠弁証論治)
【case:0090】
ご相談内容
27歳で第一子を自然妊娠、出産しました。産後、自分ではとりたてて体調が悪くなったとは思わないのですが、生理の塊が増え、もともときつかった生理痛などに加え、生理前のイライラや気持ちの悪さ、胃のムカムカする感じが出るようになりました。2年以上二人目の子供を希望して、病院などにも通っていますが、なかなか妊娠出来ません。
最近は、特に腰痛がひどくなってきています。朝起きたときが辛く、夜も腰が痛くて眠れないことがあります。夕方からは疲れにつれて腰痛がひどくなり、動くのも辛いです。体重も第一子妊娠時よりも1キロ軽いです。どうしたらいいでしょうか?
東洋医学的診立て
早く二人目のお子さんをと願うお気持ちよくわかります。上のお子さんとの年の差も気になりますし、ご自身の年齢も気になりますよね。妊娠は身体全体の生命力の余力で成り立ちます。身体があまりにも疲弊したり、余裕がないとかなかな妊娠出来なくなってしまう場合がよくあります。
○○さんの場合は、出産がその『身体の余力』を失わせてしまうきっかけになってしまったように思えます。生理にまつわるトラブルや腰痛の悪化は、身体の力が全体に落ちてしまったために生じているものです。一見、妊娠そのものには何ら関係がないように思えますが、こういった状態を引き起こさない『余裕のある身体』が妊娠する身体となるのです。
体重、腰痛、生理の状態など、第一子の妊娠時まで戻すような身体作りをしていきましょう。年齢がお若いのですからまずここを目標としましょう。そして、そこまで到達しても妊娠できないときは、病院での治療をスタートするのもよいかと思います。急がばまわれが二人目不妊のポイントです。
東洋医学的弁証論治
弁証:脾気虚損 腎虚を中心とした気虚
論治:益気補脾 陽補腎
治療方針:まず第一に脾気をたて全身の補気をしていく。脾気不足から腎気への負担という悪循環をたちきる。ある程度脾気が救われたら、腎気を中心に温陽補腎して、第一子妊娠時の状態まで腎気が回復することを目標とし第二子の妊娠を願う。