カテゴリー : ストレス・精神症状 不妊・婦人科の症例集 一般の症例集 40代 不妊

精神的な不安定さ、自律神経失調症、不妊(40歳出産)

概要

自律神経失調症や予期不安という精神的な課題が不妊治療に大きく影響を与えた症例です。体外受精をしても妊娠しなかった方でしたが、心身のリラックスで無事に自然妊娠出産につながりました。

(この症例の弁証論治→予期不安→体外受精→自然妊娠の弁証論治
【case:0095】

ご相談内容

39歳です。体外受精をしましたが、着床と思われる頃に精神的な不安定さがきつくなり、子宮が収縮する感じがして妊娠出来ませんでした。

若い頃から自律神経失調症や予期不安で悩んでいます。デパスなどでしのいでいますが、寝不足や過労、飲酒などをきっかけに症状が再び悪化してしまうことが多いです。

生活習慣などを整えることでだいぶ落ち着いていましたが、不妊治療が始まりストレスが強くなったことで再び不安感などの精神的な症状が強くなり、そのせいで不妊治療が上手く行かない気がしています。

どのようにしていったらよいでしょうか?体外受精でとれた卵を凍結保存してあります。次回の周期で移植しようと思っていますが、妊娠出来る気がしません。

東洋医学的診立て

お仕事を沢山頑張っていらっしゃったのですね。自律神経失調症や予期不安となんとか上手につきあって、日々の生活をスムーズに送れるようになっていたのかなと思います。

ストレスは身体や心に様々な負担となり症状としてあらわれます。

体外受精などを含む高度生殖医療は非常に高価なうえに『妊娠』という淘汰のプロセスという側面を含んでいますので、1回の体外受精で妊娠率が20%、出産までたどり着くことが出来る方も7%などとも言われます。本当にストレスフルな治療ですね。

お身体を拝見しますと、首の冷え(大椎の冷え発汗)、上背部の弱り(身柱の発汗)など風邪の内陥(冷えの入り込み)が明瞭です。この冷えの入り込みがお身体への負担となっているように思います。また、臍下丹田の部分にある関元の抜け、脈の輪郭の甘さ、湧泉、復溜、腎兪などという生命の土台の力(腎気)をあらわす経穴(ツボ)も弱りが明瞭です。

身体の土台作りをすること、冷えの入り込みを取り去ることですっきりした身体をつくりましょう。そしてできることをしたら、あとはゆっくり待ってみましょう。体外受精でもよい卵が採れている状態です。きっとよい突破口がみえてくると思います。

東洋医学的弁証論治
弁証:脾腎両虚 風邪の内陥
論治:去風散寒 益気補脾補腎
治療方針:風邪の内陥を取り去る。脾気腎気を養い、土台をつくり、肝気の立ち上がりをしっかりと支えられる身体をつくる。場合によっては、強い肝鬱を直接的にさばき、素体が立ち直るのを待ち、妊娠にそなえていく。

治療経過

初診
1)百会、左外関ー左臨泣(+ミニ灸2回)、灸頭鍼(足三里、左三陰交)、(左湧泉、左陽池)ミニ灸2回、関元温灸
2)大椎温灸、申脈ミニ灸、左脾兪、右胃兪、左腎兪、中膂兪

初診から4診3週間にて妊娠、出産。42歳、第二子を無事に自然妊娠出産。

あとがき

自律神経失調症や予期不安という精神的な症状でかなり悩んでいらっしゃいました。妊娠に向けての身体作りは、『薬と縁を切る』ということも必要です。鍼灸はそんなときに大きな手助けとなることができるなあと思います。

色々なお話しをさせていただいて、ご本人として納得ができたのか、凍結胚を移植することなくスルリと自然妊娠をなさり、無事にご出産。その後第二子もするすると妊娠出産となりました。よかったですね。