カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代後半 不妊 不育 流産

不育、不妊、頚管長が短い。仕事が忙しく安静にできない(38歳出産)

概要

妊娠19週と9週での流産経験があり、子宮の頚管長が短くなりやすいという状況で、仕事が休めず徹夜なども織り交ぜての激務の方でした。なんとか安静を保ち、無事にご出産となりました。

(この症例の弁証論治→不育(19w,9w)不妊の弁証論治
【case:0160】

ご相談内容

先日妊娠したものの出血が続き、結局妊娠9週での流産となってしまいました。第一子の時も頚管長が短く2ヶ月以上の入院となったうえでの出産でした(2500グラム)。31歳の時には妊娠19週での流産の経験があります。

仕事がとてもいそがしく、妊娠中でも安静はおろか、検診のために休むときには徹夜での仕事となる場合も多いです。妊娠、そして妊娠して流産しないように出産したいと思っています。どのようにしたらよいでしょうか?

東洋医学的診立て

若い頃から、側湾、腰痛、ひどい便秘に冷え性ということから、生命の土台の力(東洋医学でいうところの腎気)が弱い方だと思います。こういった方では、子宮をしっかりと温め、養う力が不足しがちで、不妊や不育になりやすいケースが多く、また過度の仕事や疲労はこの腎気への負担となり、より一層問題を大きくしています。

また、妊娠中の経過は人によって様々です。ハードな仕事をしてもなんともない方もいらっしゃいますが、負担が大きく妊娠継続が困難なケースもよくあります。残念ながら貴方の場合は後者ですね。妊娠を無事にされたら、腹をくくって安静にすることが絶対に必要です。病院選びも「通いやすいから」選ぶのではなく「ご自身の状況に対応してくれる」ところを選ぶべきです。

また、妊娠という観点から離れても、ご自身にとって今の生活はあまりにも過重となっているように思います。30代の若さです。もう少しご自身をいたわってあげてもよいかと思います。

また、体重に関しても、現在のBMI17.58は痩せの範疇に入ります。この体重で太らないようにしなければとなぜご自身が思い込んでいらっしゃるのか、ご自身に問うてみる必要を感じます。いまの体重はもう少し増えてもよいぐらいの痩せなんですよね。ご自身に対する厳しい視線が常になっていらっしゃるのではないでしょうか。もう少し客観的に、そして自分に優しくしていただけたら、きっと未来のご自身にとってメリットとなるのではないかなあと感じます。

東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚肝鬱
論治:益気補腎 疏肝理気
治療方針:腎気を立ち上げることを中心とし、必要に応じて疏肝理気する。