不妊・婦人科別館:

赤ちゃんがお腹にいる喜び – 妊娠から出産へ、お母さんと赤ちゃんの旅(1)

赤ちゃんがお腹にいる喜び

赤ちゃんがおなかにいるって、とても幸せなことですね。

私にとっては、もう遠い昔の出来事になってしまいましたが、妊婦さんのお腹に手をあてていると、自分にも、あのころの赤ちゃんがお腹にいる感覚がよみがえってくるような気がすることがあります。授乳されている方をみていると、胸が張るような気がします。

女にとって、赤ちゃんとの記憶というのは、単に写真の中にあるような、日々の出来事の記憶以外に、身体での記憶もあるのではと思います。

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意識を深くもち、妊婦さんのお腹に手をあてていると、赤ちゃんが『こんにちは!』と元気にぼこっとお返事をしてくれます。

あなたの中に、あなたの血を分けた新しい生命が存在する。

そのありがたさに、胸がきゅんとなるのは、やはり妊娠ということが生命をつなぐというシンプルで、それでいてとても大切な出来事であるからかもしれませんね。

二つの生命、胎児と母体そして出産

女性の中に生じた一陰と、男性からもたらされた陽気のしずくの交流によって、一つの生命が誕生します。この生命の交わりは、卵管膨大部でおこり、卵管の中を旅をし、子宮にふんわりと着床します。

着床する前までは、お母さん側の生命と、胚である赤ちゃんの生命は二つの生命です。

この段階では、それぞれの生命力を高めることが大事です。

着床することで、小さな生命は母との生命と直接つながり、ここから妊婦としての母、胎児としての赤ちゃんの生命の交流がはじまります。

お母さんのひとくくりの生命の中に、赤ちゃんの生命が根を下ろし、お母さんの血流を通じ、ダイレクトに生命力をはぐくんでいくわけです。お母さんと赤ちゃんは、ひとつの生命なのです。

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妊娠中の赤ちゃん(胎児)は、このように、お母さんの子宮内膜にしっかりと根を下ろし、お母さんの血流を通じ、ダイレクトに生命力を分け与えられる存在です。お母さんの状態が赤ちゃんの生命に直結しています。お母さんの状態がいかに大事か理解できると思います。

お母さんの、生命力の土台である腎気を充実させ、子宮を養う経絡である任衝脉を充実させることが、胎児の生命力にとってとても重要なことです。お母さんの生命力の充実がそのまま胎児の生命力の充実へとつながりますし、お母さんがもし不安定な状態でしたら、それもそのまま赤ちゃんの状態へとつながります。

18w

私の良方の手のひらを包み込むようにしてあてると、すっぽりと入る大きさの子宮のなかに強い存在感のある赤ちゃんの存在を感じる週数です。ご自身でもはっきりと子宮の大きさを自覚されるころだと思います。胎動を感じ始め、赤ちゃんのしっかりとした存在感を感じますね。

おなかはまだまだ小さいのですが、身体全体への負担ははっきりと大きくなってきます。

身体が眠たいようでしたら、なるべく横になって休んでくださいね。

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筋腫などがあったり、少し年齢高めの妊婦さんは、おなかの張りに注意しましょう。

おなかがさほど大きくないので、無理をしがちですが、おなかの張りが大きい方は冷えないように、疲れすぎないように注意しましょう。ぐっと張ってしまい痛みもあるときは身体を横たえて暖めた毛布や湯たんぽなどを入れて休みましょう。

それでも張りが取れないときは治療にいらしてくださいね。

28w

だいぶ赤ちゃんが大きくなってきました。

1キロ近くなり、妊婦さんらしくなってくるころですね。そ

ろそろご自身でおこなう棒灸もやりにくくなってくるころだと思います。

身体が冷えてしまったなと思うときには、腰湯や足湯がいいでしょう。

また乾燥機などでバスタオルを暖め腰やおなかにあててもいいでしょう。

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おなかの張りが少なく元気な方にとっては、
妊婦らしく楽しめる時期です。
人生に赤ちゃんとひとつの時間はほんの少し、
楽しんでいただければと思うのです。

ひとくくりの生命が、ふたつに別れるとき(出産)

妊娠中は、胎児とおかあさんふたつの生命であっても、外界に対しては、胎児とお母さんは、ひとつのひとくくりの生命です。

出産は、そのひとくくりの生命であったお母さんと赤ちゃん(胎児)が、それぞれの生命に分かれるための、大いなる出来事です。赤ちゃん(胎児)の生命力が満ち、まるで果実が蒂から落ちるように赤ちゃんの命は、それまで自身の生命のすべてをゆだねていたお母さんの内側から外界に出て、自らがひとくくりの生命となって外界と交流を持つ存在になるのです。

ここで、お母さんと、赤ちゃんふたつの存在になるのです。