カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代前半 不妊

不妊治療の通院による不安感からの回復、出産(31歳出産)

概要

イライラや強い不安感、精神的な落ち込みが辛く、妊娠を考え病院に通院しだしたことで、より体調が悪化してしまったというBさん。妊娠中の体調悪化も辛かったのですが鍼灸と食事療法で二人三脚。無事にご出産なさいました。『食事を変えるとこんなに気持ちが変わるんですね!』と仰っていたのが印象的です。

(この症例の弁証論治→不安が強い不妊の弁証論治
【case:0050】

ご相談内容

31歳女性 身長167センチ 体重58キロ

もともと不安感やイライラ落ち込みが強かったのですが、不妊治療で病院に通い出した途端に頃からより悪化しました。高温期も短くなり生理周期も狂い体重も減ってしまっています。妊娠のために病院に通っているのに、ホルモンバランスが狂い生理も早く来てしまっています。こんなことではかえって妊娠できないような気がします。どうしたらいいでしょうか?

お身体の状態について
梅雨、睡眠不足などで体調悪化、寝つきはよいが多夢、寝起きが悪い
心理的に落ち込むことが多い。
生理前に吐き気が多い、黄体機能不全、高プロラクチン血症

東洋医学的診立て

東洋医学的診立て
弁証:肝鬱 腎陰を中心とする腎虚
論治:疏肝理気 益気補腎

治療指針
第一に腎陰を中心に養い、器を安定させる。また、強い肝鬱を調整し、全身への負担を軽減し、器をより養いやすくしていく。

第二に、肝気と腎気の調和がとれ、器がある程度安定したところより、脾気を高め、より器の充実をはかる。

東洋医学の世界では、丸ごと一つの身体をしっかり見ることをしていきます。そしてしっかり見るために肝、心、脾、肺、腎という5つの観点からより詳細にみていきます。

赤ちゃんが欲しいというご希望での病院受診でしたが、かえって強いストレスになってしまいましたね。このストレスが全身に影響し、身体の内側での熱となり生理周期を短くし、胃腸の機能も低下させてしまったのだと思います。確かにこの状態では『病院にいくことでかえって不妊状態がきつくなる』とご自身がおっしゃるとおりですね。

もともと、少し全身の安定度が低いお身体です。船にたとえると芦ノ湖の手こぎボート。ちょっとした波風でも大きく揺れて大変ですね。少しこのボートを丈夫にして、せめて足こぎボートぐらいの安定性を持てるように身体作りをしていきましょう。身体が安定すれば、多少のストレスも受け止めやすくなります。一緒に二人三脚で頑張っていきましょう。