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多嚢胞性卵巣症候群。流産後の不調、生理がこない(37歳出産)

概要

多嚢胞性卵巣症候群。人工授精での妊娠、流産。生理がこない。のぼせと冷えで下腹が痛む。あせらずまず体調を整えることからはじめ、無事の妊娠、安定した経過で無事のご出産を迎えることができました。

(この症例の弁証論治→流産 吹き出物 のぼせやすさ 子供が欲しい
(この症例の患者さまの声はこちら→「妊娠中の鍼灸治療の満足度に関するアンケート」3-4
【case:0116】【神奈川/小田原】

ご相談内容

34才です、結婚して5年がたちますが、まだ子供が授かりません。多膿疱性卵胞と診断され人工授精をおこない無事に妊娠したこともあるのですが流産をしてしまい、そのあと生理が戻ってくるのに7ヶ月もかかってしまいました。

体調の悪さも気になり、なかなか不妊治療そのものが前に進まないこともとても辛いです。

口や顎の周りの吹き出物がよくでて、生理前の高温期が特にひどくなります。また、外気温と室内の温度差によわく、寒い外から暖かい室内に入るとのぼせるような感じで熱が籠もった感じがして顔がまっかになります。

冷えると下腹が痛むのもとても気になります。

また20代の時にマクロビオティックの食事をとりいれていたときに、体重が減り(BMI 18.85)、生理が止まることが何度もあり、長いときは1年以上も生理がありませんでした。吹き出物は変わらずありました。

東洋医学的診立て

東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚、肺気虚
論治:補腎、補肺気
治療方針:腎気をしっかりさせることを第一の目標とする。肝鬱になりやすい状態ではあるものの、仕事を辞めたことで肝鬱の最大の要因が取り除かれていることから、根である腎気に加え、蓋である肺気を補うことで、肝鬱が徐々に落ち着い
ていくところを目指す。

かなり負担が見受けられる脾気に関しては、様子を見ながら、必要であれば脾気からもアプローチする。

治療経過

初診 週に1度以上の治療間隔、毎日の自宅施灸。養命酒などを勧める。
3ヶ月後、高温期がきれいにあがるようになってきた。
体調を整えながら、体外受精にステップアップをする。
病院の都合や、生理周期の問題でなかなか治療が進まない中、1年後に妊娠、初期の出血や逆子などを乗り越え無事に出産。
おめでとうございます、よかったですね。

あとがき

東洋医学で言うところの肺というのは、華蓋、つまりヤカンの蓋のような役割です。ヤカンを火に掛け、お湯を沸かすときに、蓋がしっかりしていないと、どんどん中身が蒸発してしまいなくなってしまいます。逆に、蓋がガッツリしすぎて蒸気を逃がしてくれなければ、内側の圧力が籠もってしまいます。

本症例ではこの肺気の弱りが、固い蓋になってしまったり、きちんと中身を守れない蓋になったりと、気虚を進める要因となっていました。

心と身体の二人三脚はとても大事です。ときに、食生活のアドバイスは、その人の気持ちをほっとさせてくれると思います。しかし大きな体重減少や、生理が止まってしまうほどの食事コントロールはその時を乗り越えることができても、その人の器を小さくしてしまい、内熱が立ちやすくなり、そのときは『元気です!』という気が立ちやすい状態になるものの、のちのち体力、気力が続かないということになります。

ゆっくりでいいんですよね、しっかりと血肉を養い、気持ちをゆっくりもって、前にすすんでいけたらいいんです。

確実に身体作りをし、無事にお子さんをお迎えになることができました。おめでとうございます。