カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代後半 二人目不妊

二人目不妊、フーナーテスト良好でも妊娠しない(35歳出産)

概要

3年にわたる二人目不妊。産後から排卵痛や生理前後の体調が悪化。側頭部や前頭部痛。フーナーテストは良好だけどなかなか妊娠しない。

(この症例の弁証論治→二人目不妊三年目の弁証論治
【case:0168】【神奈川/小田原】

ご相談内容

第二子を希望して3年たちますがなかなか妊娠出来ません。第一子との年齢差がとても気になり、早く早くと思っています。フーナーテストは良好で、とりたてて不妊の原因となるものはありません。

第一子の出産後1年ほどで生理は再開しましたが、排卵痛や生理前のイライラや頭痛がひどい状態です。生理痛そのものはよくなっていると思いますが、体調そのものはあまりよくなく、疲労感が強い日々ですが、子供がいるので仕方がないのかなって思っています。

病院でタイミング指導をおこなってもらっていますが、なんだかそういうことではない気がします。

東洋医学的診立て

4年ほど前に第一子を出産され、産後1年半から第二子をご希望になっているのに3年たっても妊娠出来ないということですね。ご心配のことと思います。

仕事の復帰、なれない子育てということで、体力への負担と精神的な負担のダブルパンチだと思います。睡眠、便通などの問題が解決されているので大きな問題にはなっていないと思いますが、妊娠というのは生命力の余剰の力で成立するものです。余力がないと妊娠まで手が回らないといったお身体の状態だと思います。体調を整えて妊娠がやってきてくれるように待ちましょうね。

東洋医学的弁証論治
弁証:風邪の内陥、腎虚肝鬱
論治:疎風散寒、益気補腎、疏肝理気
治療指針:まず第一に風邪の内陥を取り去る。腎気をたて、肝気を少しさばき、全体の調和をとり妊娠を狙う

治療経過

初診:百会、左外関+ミニ灸、三陰交(灸頭鍼+ミニ灸)、肺兪温灸、身柱(ミニ灸)、大腸兪温灸、右脾兪、左三焦兪、次髎

初診後一ヶ月経過(5診後)それまで排卵検査薬がわかりずらかったのが、はっきりわかった。
7診後 妊娠した。

5診 排卵検査薬がわかりやすくくっきり出た(いままでわかりにくかった)。三陰交(+ミニ灸×2)、左外関、肺兪温灸、左胃兪、右三焦兪、次髎(灸頭鍼)

6診 妊娠したかもしれない。腹部棒灸、左三焦兪、右腎兪、次髎灸頭鍼

10診 妊娠10週。つわりはよい。大きいクリニックにうつり予定日が訂正された。腹部棒灸、左胃兪、右脾兪、三焦兪、次髎(灸頭鍼)

出産予定日通りに病院について3時間で出産。3500グラム弱の男の子。よく寝てくれるのでとても育児が楽。無事の出産、おめでとうございます。

あとがき

二人目不妊はあっけなく答えが出ることがよくあります。この症例でも3年にわたる不妊状態で、病院でのタイミング指導などをしてもらってもなかなか妊娠出来ないという状態でしたが、お身体の手入れをするようになって、排卵検査薬がくっきりと出るようになり、その後すんなりと妊娠、出産につながりました。

ご本人の「病院で解決する問題じゃない気がする」というお言葉通り、ちょっとした身体の建て直しが非常に効果的に働いた症例です。病院での治療は問題解決になる場合もありますが、身体の負担、冷えを呼び悪循環になるときもあります。そういったときは少しお休みしてカラダ作りに専念してみるのもよいかと思います。