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ストレスで食欲亢進、アトピー悪化、自然な妊娠がしたい(36歳出産)

概要

物静かな方ですが、ぐっと我慢をなさり、ストレスは身体に非常に強く表れていました。ご夫婦の絆が強く、お二人の希望を尊重した不妊治療となりました。少し時間はかかりましたが、無事に赤ちゃんと巡り会えました。

(この症例の弁証論治→不妊アトピーの弁証論治
【case:0175】【神奈川/平塚】

ご相談内容

子供のころからアトピーです。社会人になってから調子はよかったのですが、この三年ぐらいはストレスなのか、食生活の乱れなのかあまり良くない状態が続いています。

普通のアトピーとは違い、吹き出物のような感じの赤い発疹が全身に広がっています。手足などの四肢末端部よりも、背中などが中心です。
そろそろ妊娠をと考えていますが、なかなか前に進みません。どうしたらいいでしょうか?

東洋医学的診立て

ストレスによって体調が悪くなっているように思えますね。身体の上部に熱を持ちやすいので皮膚の症状や、イライラ、寝つきの悪さ、高音の耳鳴りなどにつながり、また胃熱によって食欲の亢進にもつながっているのではないかと思われます。

そしてこのストレス状態が、生命の土台の力(腎気)に負担となり、東洋医学でいうところの腎虚の症状である、足の浮腫、だるさなどが出現しています。生命の土台の力(腎気)をしっかりさせ、胃熱や内熱の納まりどころをつくっていき、不妊治療を前に進めていきましょう。

東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚肝鬱、胃熱
論治:益気補腎、疏肝理気
治療指針:腎気の根をしっかりさせ、胃熱、内熱の納まりどころをつくる。場合によってはきつい肝鬱を少しすかす。食欲が亢進しがちなのは、ご本人のセーブをお願いする。

治療経過

33歳初診から週に1度で鍼灸治療継続。
半年後、風邪の内陥が抜け、体調が少し落ち着いたので病院受診を進める。
1年後、リューブリンを使い、そののち子宮筋腫摘出手術。そののち、タイミング、人工授精と進む(夫の希望)。
2年半後、採卵新鮮胚移植、妊娠出来ず。
採卵ー2つ凍結胚が出来た。移植ー妊娠ー順調に経過。
無事に女児を出産(36歳)。おめでとうございます。

あとがき

体調の管理と不妊治療の二本立て。もう少し高度生殖医療に早く入ってもよかったのかもしれませんが、ご夫婦で自然に近い形をということで模索なさっていらっしゃりました。そういったことは年齢要因を別にすればとても大切なことだと思います。二人が納得のいく形で不妊治療を進めることが大切なのです。

無事にご出産の時を迎えられ、本当によかったなと思います。