東洋医学があなたの妊娠にお手伝いできること
時間はとても大切。
その前提の元で、『東洋医学があなたの妊娠にお手伝いできること』を 具体的にお話ししていきたいと思います。
妊娠にまつわる不思議な話もいろいろありますね。
たとえば、『諦めとたんに妊娠した』とか、『不妊治療をやめたら妊娠した』とか。 これも、いったいどういうことなのか、東洋医学的な生命観を踏まえて お話ししたいと思います。
東洋医学的な観点から、『あなたの妊娠に必要な物は?』ということを考えるヒントにしていただけたらと思います。
東洋医学的人間観、一本の木をまるごと一つの生命として
東洋医学では、人間を一本の木にたとえて考えることがあります。
また、皆さんも、『肝、心、脾、肺、腎』という五臓とう言葉を聞いたことが あるのではないかと思います。五臓六腑に染み渡る~なんていうときの 五臓です。東洋医学は一つの人間をしっかりとみるために、 五臓という5つの観点を使うこともあります。
この図は、一人の人間のありようを、大地に根を張り、天空に枝葉を伸ばす 木にたとえて考えています。そしてこの一本の木も、肝、心、脾、肺、腎という 五臓、五つの観点から見ることができます。
一本の木が根ざしている大地、この大地は木を支える肥沃な大地です。 脾があらわしています。そしてその大地には渾渾と水の湧く泉があります。 腎があらわしています。
この渾渾と泉の湧く肥沃な大地が、脾腎の土台です。
天空は、心の光りが隅々まであかり照らし、清浄な空気(肺)で満たされた 空間です。枝葉の間には風が通り、光りがあふれるています。
人間はこの肥沃な脾腎の大地にしっかりと根(肝陰)を下ろし、天空に向かって枝葉(肝陽)を広げている存在です。
肥沃な大地にしっかりと根を下ろした木は、栄養分を吸い上げ、 枝葉をゆったりと天空に広げます。 天空からは雨が降り注ぎ大地を潤します。 一本の木を中心として、安定した循環をもった存在であること 気血がゆったりと満ち足りて、充分にめぐることが できると健康な状態です。
健康な木から、へろへろ、きいーっ、なんとか頑張ってますの3つの木
左上の図、これが先ほど紹介しました、健康な状態を示す木です。
『豊かな大地に渾渾と湧く泉、風邪が通り、光りがあふれるなか、大地にしっかりと 根を下ろし、天空に手を伸ば一本の木』です。
ほかの3つの木は、そこからいろいろな偏りをあらわしています。
健康な木と比べてみてくださいね。
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右上の図は、東洋医学でいう気血両虚の木です。
栄養が足りない大地に、枯れかけた泉。ひょろひょろっとした木が 薄暗い天空になんとかたっています。人間は生きています。生きているから この状態でもそれなりにバランスをとって毎日を送っているわけですが 全体にパワーがたりず、影も薄い状態です。
大地を豊にし、天空を明るく清浄にしてしっかりとした木に 育てたいところです。
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左下の図。
一見すると、しっかりと充実した感じに見えますね。
特に上半分の枝葉はがっちりと茂っています。
この図は、下半分、乃ち大地と泉の部分はしっかりと充実しています。
そして上半分の部分が、ぎゅーぎゅー混み合っているのです。
光りはぎらぎらし、枝葉は密集しすぎて風も光りも通りません。
これはストレス状態、枝葉が混みすぎてぎゅーぎゅーとし、スムーズな 流れにならないのです。交通渋滞をおこしているようなものです。
精神的なストレスでも、身体にかかった負担でもこういった状態は おきます。 ときどき、諦めたとたんに妊娠したとか、治療をやめたら妊娠したなどという 話を聞くかと思います。45歳のタレントさんが治療の合間に自然妊娠した!など と言う話もこのタイプの身体の方です。 ストレス状態で枝葉がぎゅーぎゅーと混み合った状態は、全身の巡りが 悪くなり、循環がおきなくなります。でも、大地や泉がしっかりしているので、 このストレス状態がぱあーっと張れると、全体の巡りがするするっとよくなり 妊娠につながるのです。いくら身体の状態がよくても、この全身のストレス状態に よって『妊娠が遠ざかっている』ケースはよくあります。
鍼灸とくに鍼はこの渋滞をさばく力に長けています。鍼灸がよいといわれる ゆえんですね。私のところでも1,2回の鍼灸で妊娠した!ということが ときにありますが、このタイプの方ですね。
妊娠は、オールオアナッシング、『何も原因となることはない』という状態でも このようなストレス状態が全身の負担となり『不妊』となっている場合があります。
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さてさて、3つめの図。
大地がちょっと疲労でやせ気味、泉もちょっと水の量が減ってしまっている。
木を養う大地、泉の状態が少し寂しい。
大地の状態がよくないということは、根が踏ん張れず、木がぐらぐらしがちです。
その踏ん張りがきかずぐらぐらしがちですが、がんばらないと毎日をこなせません。
がんばるっというのは、無理して枝葉を茂らせている状態です。
この木のように、ちょっと枯れて栄養が足りない枝葉ですが、天空に向かって一生懸命手を伸ばしています。
これが30代後半から40代の方々の実情かもしれません。
東洋医学では、腎を中心として生命の土台は年齢と共に少しずつ 陰りが見えてくるのは当たり前としています。生き物ですものね。
その陰りが見えた土台でありますけど、なんとか頑張っているわけです。
このなんとか頑張っている状態が、気血の循環を滞らせるストレス状態を 作っています。
左下の図と違うところは、大地の状態。大地の充実度が足りない中、 なんとかがんばっているのがこの図なのです。
まず第一に大地を養い充実させることと、その上で 枝葉の渋滞を整理することが臨まれます。
枝葉の渋滞を整理することは庭木の剪定に似ています。
地面に肥料をやり、枝に風が通り光りが入るように選定してあげますよね。
手入れが必要な年代です。