カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代前半 不妊 流産

「一周期も無駄にしたくない」と続けた不妊治療をお休みして自然妊娠(34歳出産)

概要

15回以上も人工授精をおこない、10回もの体外受精ー胚移植をおこなうも妊娠せず。『一周期も無駄にしたくない』というお気持ちに、休んでみようの提案が幸いし、自然妊娠、出産につながった症例です。

(この症例の弁証論治→体外受精後自然妊娠した 33歳
【case:0035】

ご相談内容

26歳から高プロラクチン血症や黄体機能不全ということで、カバサール、プラノバール、セキソビッド、フェマーラなどを使い人工授精を15回ほど行いましたが妊娠しませんでした。東京の有名クリニックにて体外受精をおこない、一度は妊娠して9週まで進みましたが、出血してしまい流産となりました。

その後、胚移植を9回繰り返し、バイアスピリンの服用、プロゲステロンの膣座薬などを使い、妊娠判定の陽性は出て着床はしますが、胎嚢確認まで進むことが出来ていません。早く妊娠したいので、一周期も無駄にしたくありません。現在は採卵周期に入っていて、排卵誘発剤を服用中です。どうしたらいいでしょうか?

東洋医学的診立て

早く妊娠したいとのご希望、よくわかります。一周期も無駄にしたくないですよね。今のお身体の状態は、全身の気虚(パワー不足)が明瞭です。クーラーにあたると骨から冷える感じがすること、継続的にある腰痛、生理前の身体の重さ、胃の重さなどの症状は全身のパワー不足に因るものです。この全身のパワー不足は、生命の土台であり妊娠出産に大切な腎の陽気と密接に関係があると考えられます。

この腎の陽気を中心に全身のパワー不足をおこしていることが、着床はするものの継続できないという状況になっていると思われます。胎児を支える子宮をしっかり養えるように腎の陽気を中心として全身の力をつけるようにしてみましょう。妊娠という一点だけを見つめているとちょっと見えにくいポイントかもしれませんが、ここは『急がば回れ』少し体外受精や病院通いから離れて、気持ちも身体もゆっくりとしてみるのがよいかと思います。一緒に考えていきましょうね。

東洋医学的弁証論治
弁証:腎の陽気不足を中心とした気虚
論治:温腎補養 益気
治療方針:腎の陽気をたてることを第一とし、温かさを子宮に導き、子宮の気血を温養していく。