カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 40代 不妊 二人目不妊

採卵を7回、二人目不妊、繋留流産。体調整え出産(41歳出産)

概要

第一子は自然な妊娠をし出産したものの、産後から風邪を引きやすくなるなどの体調不良。39才から体外受精を始め、7回の採卵、2回の移植を行うものの妊娠せず。繋留流産もあり。体調を整えて無事に妊娠出産。

(この症例の患者さまの声はこちら→「妊娠中の鍼灸治療の満足度に関するアンケート」7-5
【case:0207】【神奈川県/箱根】

ご相談内容

二人目不妊で悩んでいます。

一人目は漢方を飲みすんなりと自然妊娠ができ、30代前半で出産しました。産後は風邪をよく引くようになり、身体がちょっと弱ったなと感じています。

二人目を考えて、同じ漢方を服用していますが、なかなか妊娠しません。採卵もすでに7回行い、胚移植も2度。今回はうまく妊娠できたと思ったのに、繋留流産となってしまいました。

冷え性で、疲れやすいなと感じています。肩甲骨の右側が特に辛く、また足も疲れを感じます。もう一人赤ちゃんが欲しいです。どうしたらいいでしょうか?

東洋医学的診立て

この1年、何度も通院して採卵に挑戦してがんばっていらっしゃいますね。またせっかく妊娠されたのに繋留流産とは本当に辛かったと思います。もうあと一息・・・・だったとは思います。それでも、生殖は色々な事があります。自然なながれだったのかもしれませんね。がんばって卵を迎えられたことは、充分伝わっていると思います。

お身体を拝見すると、冷えの入り込みがみられます。これによって全身への負担がでて、体力が戻らない原因になっています。しっかりとした肌つやのある充実した肌肉ではあります。これは受精卵さえしっかり採卵できれば充分妊娠の可能性がある卵が採卵できるということです。

ただし、東洋医学で言うところの支え(腎気、子宮の力)が不足してます。この腎気の不足が冷えの入り込み、全体の気の巡りの悪さも引き起こし、不妊の状態になってしまっていると思います。

あせる気持ちは充分わかります。早く、早くという気持ちも、充分わかります。

それでも、いいます。
急がば回れ。
とにかく、いまは採卵を急ぐことではなく、ご自身の身体をいたわり、手入れして、受け入れ体制を整えましょう。このご年齢ならば充分やれます。一緒にがんばってみましょう。

東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚肝鬱 風邪の内陥
論治:益気補腎 疎風散寒
治療方針:先ず第一に、脾肺の陽気を引き上げ風邪の内陥をとりさる。同時に腎気の底上げもおこなっていく。

治療経過

足三里 三陰交 内関 陰陵泉 
肺兪
脾兪腎兪(BL23) 次髎(BL32) 
自宅施灸:三陰交 右の陰陵泉、右の足三里 大巨(ST27) 関元(CV4) 右の内関

1ヶ月後 採卵してみる、一個採卵できて受精したが凍結出来ず。
2ヶ月後 採卵ー胚盤胞凍結できた。すぐに移植してはダメ!!とアドバイス。
体調を整える、週に1度程度の鍼灸+自宅施灸
5ヶ月後 胚移植ー妊娠ー無事の出産

あとがき

無事のご出産、おめでとうございます。早く、早くというお気持ちとてもよくわかります。卵ちゃんのために、しっかりと受け皿を養い育てたことで無事に着床、妊娠が経過できご出産までたどり着けたのかと思います。がんばりましたね。