不妊・婦人科別館:,

身体作りの大切さ – 不妊!大作戦(5-7)

まったくの健康なのに

不妊は、不妊であることを除いて考えれば、まったくの健康ということも、よくあります。身体的な問題がなくても、不妊という状態がおこるのです。ここが不妊を考えるときに、忘れてはいけないポイントです。つまり、カップルの相性的な問題や、女性の年齢的な問題でより不妊状態は強くなりますが、それ自体は、淘汰のシステムであったり、年齢を重ねた女性が妊娠しにくいのは、ある意味当たり前の人生の流れの中にあるともいえるのです。

このような場合、現代に生きる我々には、西洋医学的な高度生殖医療の手を借りながらの妊娠という選択が許されています。少しだけ時間をさかのぼらせてくれるのが、いまどきの西洋医学的な手法でもあります。その恩恵を有難く受けさせてもらうのも、よいと私は思うのですよ。

当たり前のことですが、自然妊娠で授かった赤ちゃんも、体外受精で授かった赤ちゃんも、同じ可愛い赤ちゃんです。なにもかわりません。そして、体外受精で授かった皆さんは、そのプロセスの中にいるときは、いまこれをお読みの皆さんと一緒で、体外受精のことで頭が一杯ですが、妊娠して胎動を感じるころには、皆さんすっかり忘れます。そんなものなのですよ、プロセスなんて。だから、あまり拘わらず、気にせず、ちょっと手助けをしてもらうかという気持ちで、高度生殖医療の手を借りてみてくださいね。

身体作りの大切さ

妊娠を目指す女性は、『妊娠が成立すること』だけに注目しがちですが、本当に大事なのは、十月十日の妊娠生活を順調におくれるしっかりとした土台のあるからだなのです。

赤ちゃんとお母さんというのは、妊娠時代は一つの生命なのです。お母さんの生命力が赤ちゃんの健康に直結するのです。

身体作りができ、生命力の土台ができると妊娠が成立する可能性が高くなりますし、その後の赤ちゃんをはぐくむときにも、胎盤を通じて生命を分け合う妊娠時代がありますし、母乳を通じて生命の交流をする授乳時代もあります。

出産というのは、赤ちゃんにとってはお母さんの生命をダイレクトに分け与えられ新しい命として出発するときであり、お母さんにとっては、大きく生命力を損なう可能性のある危険なときです。ここをスムーズに通過するにも、母体側の生命力の土台作りは大切なのです。