カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 身体の痛み 40代 不妊

ひどい頭痛。子宮筋腫の手術後10回以上の体外受精ー凍結胚移植(44歳出産)

概要

38才の時に高年齢による不妊と診断を受け、体外受精を繰り返すも妊娠せず。子宮筋腫(手術)膠原病や脳梗塞などの状態がありながらも、鍼灸治療の頻度をがっつりあげ、無事に44才にて出産なさった症例です。

(この症例の弁証論治→膠原病、脳梗塞の疑い、不妊、首肩のトラブル 44才出産
(この症例の患者さまの声はこちら→「妊娠中の鍼灸治療の満足度に関するアンケート」8-4
【case:0177】【神奈川/平塚】

ご相談内容

36才で結婚し、妊娠を希望していました。不妊一般検査では大きな問題がなく、タイミングを指導して頂いていました。38才にて大学病院で体外受精をおこない、移植しようとしたら子宮筋腫が8個みつかり手術。その後移植したものの妊娠しませんでした。

有名クリニックへ転院し、体外受精をしたものの、卵そのものがよくなく、胚盤胞まで到達するのですが拡張期へと進むことができず、不妊治療が前に進みません。

もともと若い頃から頭痛がひどいです。目の前と奥で、ときに目を開けてられないぐらいの頭痛となります。頭の中で何かが起きたのかと思うほどの頭痛で、脳外科脳神経外科を受診、経過観察中です。

体調も悪いのですが、年齢要因で妊娠しにくいと診断されたのが38才。すでに私は41才になってしまいました。どうしても子供が欲しいと願っています。なにをしたらいいのでしょうか?

東洋医学的診立て

いろいろと努力をなさりがんばっていらっしゃいますね。充分、やっていらっしゃるとおもいます。

確かに不妊治療においては年齢要因は大切ですが、現時点で、採卵ができ、凍結胚もそれなりに出来たこともあるわけですから婦人科的なことは大きな問題はないかと思います。

それよりも、ご自身の全身的な体調のほうが、妊娠ということに対しての負担になっています。

若い頃からの頭痛がありますね。脳梗塞の疑いを指摘されたり、膠原病の疑いということを体表観察とあわせ東洋医学的に考えると、身体の底力が不足していること、また冷えの入り込みが首や督脈(骨盤から背骨を通り頭へと通じる経絡)への大きな負担となっていると思います。

冷えの入り込みが継続してしまっていることが、身体への負担となり、不妊、頭痛、また体の不調となっているわけです。

少し身体の弱りが明確なので、時間がかかるかもしれませんが、しっかりと素体を作り、よい卵が採卵できるようにしていきましょう。また、妊娠ー出産し、子育てに対応できる身体作りをしていきましょう。

東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚 風邪の内陥 オ血 督脉の冷え
論治:疎風散寒、補腎、温通温養督脉
治療指針:風邪の内陥をとりさり、腎気を救い、督脉を温通温養させることによって腎気の底支えをつくる。オ血にてついては、東洋医学では腎気の底支えと督脉の温養で対応できる範囲とし、あとは西洋医学にゆだねる。督脉腎気の温養によって女子胞に余力が伝播する様にし妊娠に向けた身体作りとする

治療経過

40歳 ビッグママ治療室受診
41歳
 3月 採卵、桑実胚止まり
 5月 採卵-胚盤胞凍結出来た
 6月 ドミノ周期 採卵-凍結、移植 妊娠出来ず
 8月 採卵 空砲
 10月 採卵 胚盤胞凍結(7日目であまりよくない)、左頭部に熱感のある頭痛
 10月末、11月 連続して排卵済み
42歳
 1月 採卵 1つ桑実胚止まり、1つ拡張期にならずダメ
 2月 採卵 1つ5日目胚盤胞で凍結、もう1つは拡張期にならずダメ
 2月末 2個移植 妊娠せず
 3月 採卵 胚盤胞にならず。
 4月 転院、採卵 多精子受精 体重のことを強く指摘される
 5月 採卵 3日目で1つ凍結 もう1つは受精せず
 6月 採卵 胚盤胞が2つ凍結
 7月 2段階移植(自然周期)-移植出来ず
 9月 移植出来ず
 10月 移植 判定日hCG75-化学流産、継続できず。鍼灸の治療頻度を週に2回にする
 11月 ポリープ手術 
 12月 採卵 凍結3日目
43歳
 2月 鍼灸治療頻度を週に3回にする
 3月 採卵-2個とも空砲(血流、その他はよかった)
 5月 移植 2段階 判定日hCG22 低い
  鍼灸治療を極力多く入れる(1週間に4,5回)hCG↑、Pもだんだん↑
  鍼灸治療の頻度をあげたら、首、肩こり、頭痛がなくなり、首が痛くなく曲がる
 6月 不妊クリニック妊娠にて卒業 
 鍼灸治療は週に3回で継続 首の大きな膨らみが減ってきた、頭痛なども良好
44歳 無事に元気なベビちゃんを出産
おめでとうございます。

あとがき

本当に、頭の下がるような丁寧な努力をされての日々でした。根深い頭痛は、ご本人の素体の問題であり、この改善が結局、不妊の問題も解決してくれたように思います。

鍼灸治療の頻度を42才から週に2回、最後の移植時には週に4,5回おこない、判定日に低かったhCGながらも無事に元気な3000グラム越えのお子さんを出産なさりました。

本当によかったなと思います。がんばられましたねえ。