カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代前半 不妊

ネックレスサインがあり多嚢胞性卵巣症候群の可能性。血流アップで自然妊娠(31歳出産)

概要

30才女性、タイミングでなかなか妊娠せず。クロミッドなどでむくみなどの症状が出て辛い。ネックレスサインがあり多嚢胞性卵巣症候群の可能性がある。

(この症例の患者さまの声はこちら→「妊娠中の鍼灸治療の満足度に関するアンケート」9-3
【case:0322】

ご相談内容

30才です。なかなか妊娠しません。病院でクロミッドやデュファストンを出してもらっていますが、妊娠はできません。むくみや下痢をしやすくなったりと体調が悪化するばかりです。

なんとか、定期的に生理はきていますが、排卵がスムーズではなく、LHも高く卵巣にネックレスサインもあり多嚢胞性卵巣症候群の可能性があるかもと言われています。今後の不妊治療はどの様に考えたら良いでしょうか?

東洋医学的診立て

早く妊娠したいのに、なかなか妊娠できなくて困っているということですね。

現在のお身体を拝見しますと

(1)皮膚の質感が悪い
(2)身体の土台である腰(腎)や子宮のパワー(女子胞力)が弱い
(3)オ血(血の道の滞り)

この3点が課題と考えられます。

皮膚の質感が悪いと言うことは、全体の生命力が不足しているために皮膚表面まで届いていないということです。これは胃腸や土台の力が不足しているということにつながります→気虚

また、生理の状態、皮膚のトーンの暗さ、舌や細絡の出方から血の道の滞りを伺え、全身の気虚があるために、血流が悪く滞りがちであるということです。妊娠は、身体に余裕があって初めて成立します。今の状態では、全身の余力がないために、女子胞力(子宮)に力が回らなくなっています。

全身の余力をつけ、血流をよくしてオ血(おけつ)を取り去り、赤ちゃんがやってきてくれるようにしていきましょう。

東洋医学的弁証論治
弁証:腎陽虚を中心とする気虚オ血
論治:益気補腎 活血化オ
治療指針:腎気をupさせ、脾気へのバックアップを大きくし、全身の状態を改善させる

不妊治療についてのアドバイス
(1)タイミングの取り方が少し早いので、高温期に入ったところでもタイミングを。
(2)排卵がそれなりにあるので、体調を悪くしてまでクロミッドを服用しなくてもよいかも。
(3)食事を改善(血糖値を意識し、糖質の取り方を工夫する。タンパク質、果物、乳製品の摂取を)
(4)半年ほどは、このまま体調の改善を図りながら妊娠のタイミングをとってみましょう。それでも妊娠しなければ、ステップアップを。男性側の問題がなければ、1年のタイミングがあれば体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精を考えてもよいかもしれません。

治療経過

初診時:基礎体温表がガタガタが気になる、週に1,2度の鍼灸治療 自宅での養生お灸 食事の改善スタート

2ヶ月後:足のむくみが改善、舌がキレイになってきた。生理痛がなかった。

3ヶ月後:卵胞の成長がゆっくり、腰痛を感じる。妊娠成立-無事の出産へ。

あとがき

体調の悪さが気になっていらっしゃりましたが、東洋医学で少し血流アップのお手伝いをさせていただき、スムーズな自然妊娠となりました。おめでとうございます。