不妊・婦人科別館:,

作戦を立てましょう!! – 不妊!大作戦(5-4)

妊娠に致る道への作戦は、個々のケースによる事情で大きく左右されます。 ここでは、一般論としての目安をお話して行きましょう。

目安のひとつは年齢、そしていままで受けてきた検査や治療の経過も作戦の材料になります。

器質的な問題は一番初めにクリアにしておきましょう

妊娠には、卵管采が卵を捕まえられず精子と卵子が出会っていないなどの機能的な問題で起こっている場合と、卵管が閉塞している、精子がいないなどの器質的な問題で起こっている場合があります。器質的な問題で起こっている場合は、その後の選択肢が限られる時があります。まず第一にこの点は曉らかにしておくべきでしょう。

両卵管の閉鎖や、精子の問題などの要因が強い場合は、体外受精ー胚移植(顕微授精)が第一選択肢になることも多くあります。また、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などがあるばあいは、先立っての手術などが必要なケースもあります。妊娠には年齢がとても大事です。器質的な問題の有無をあきらかにせず時間を無駄にしてしまわないように、まず基本的な問題を調べておきましょう。

高度生殖医療を頭の隅にいれておいてください

タイミングや排卵誘発などの治療をある程度受け、結果が出ないときは、高 度生殖医療の手を借りることも、選択肢の中に入れて考えてください。

よく、「体外なんて・・」とおっしゃる方がいらっしゃいます。 今すぐに体外受精を挑戦しなさいなどということは言いませんが、 選択肢の中にこの高度生殖医療も含めて考えておくことは大事なことです。

私自身、毎日体外受精での不妊治療の相談やIVF-ET(体外受精、胚移植)の周期にあわせた治療をしていますので、『IVFは当たり前のこと』と思っています。そしてこの治療法を考えに入れずに不妊に悩み時間を過ごしてしまうのは、チャンスをいかさずに悩んでいるようでとても「もったいない」と感じてしまいます。未挑戦の方には高いハードルに感じてしまう高度生殖医療のIVF-ETですが、あたりまえで、普通の医療だと思うのです。あまり「すごいこと」と構えずに、さらっと考えてみてください。

高度生殖医療に挑戦する前にしておくこと、できること

高度生殖医療(IVF-ET)も視野に入れた段階で、体外受精に挑戦する前にしておくといいことが一杯あります。とくに、器質的な問題がさほどきつくない場合は、『いきなり体外』ではない選択肢もよいです。

精子と卵子が出会えていないキャッチアップ(ピックアップ)障害の場合、体外受精が西洋医学的には力強い選択肢になります。この状態は東洋医学の世界で言う、身体のストレスつまり、肝気鬱結状態と、土台の力不足つまり腎虚です。身体の臍下丹田の力が足りないこと、そして全身がストレス状態で気の欝滞をおこしているために、卵管采が上手く働けず、卵子をキャッチすることができないため精子と出会えていないと考えられます。身体の生命力の土台がないために、『妊娠に致る一連のシステムがスムーズにおこる』ことができなくなっている状態です。

こんなときには、ぜひ鍼灸治療を試してみましょう。土台に力をあつめ、身体の気の欝滞をとりさり、暢びやかな状態にすることで、妊娠に致ることがよくあります。

『諦めたとたんに妊娠した』という状態は、自然と気の欝滞が晴れたということなのです。あまり赤ちゃんに執着することなく、心身ともに暢びやかにするような目的で、鍼灸治療を受けてみましょう。『妊娠に致る一連のシステムがスムーズにおこる』ことができ、するっと卵管采が動いて、卵子と精子をであわせてくれたり、ふんわりとした着床に致ることがあるのです。

排卵がすっきりせず、高温期が短いという状態も、身体の力をつけ、気の欝滞を取り除く治療をすることで、力強い排卵を示す基礎体温表になっていくことがあります。妊娠に向かって一歩前進といったところですね。

体外受精を視野にいれ、無駄な投薬などをやめた状態で、半年を目安に是非挑戦してみてくださいね(^^)