カテゴリー : 講演記録

2015年 山下湘南夢クリニック講演『女子胞力を磨く、東洋医学鍼灸で出来ること。』

11 身体作り、ビッグママでお勧めしていること

睡眠

11時までに寝ることを心がけましょう。睡眠をしっかり取ることは、地味に!!効きます。逆をいうと、睡眠不足は地味に、そして着実に効いてしまいます。1時間3000円の高級漢方薬を飲むのと同じぐらい効きますよ!というと、実感がわく方が多いようです。睡眠ってそれぐらい効くんですよね。

また、不妊治療中の方には、時差のある旅行は向かない様な気がします。体外受精の周期に入っている方で、良い感じに整ってきたところで旅行が入り、ホルモンの周期性が崩れるというの方がいらっしゃいます。時差は睡眠のリズムを崩してしまい、女性ホルモンの周期的作用になんらかの影響があるのかもしれません。どうしても行きたい!という場合は、時差の少ない場処や、ハワイやアメリカなど時差がきつくなるところを避けるのもよいかもしれません。

食事

食事バランスガイドが一番! 

食事に関しては、思想信条が絡みます。色々な指導もあるのが現状で、世の中にはいろいろな食事指導があります。その是非については語りません。流行もありますし、提唱者がよいと思われた背景もあると思うのです。

ひとつだけ注意点があるとすると、乳製品がダメ、肉がダメ、果物がダメなど、大きなカテゴリーでだめ出しをした場合、その代替を考えないと大きな落とし穴となりかねません。乳製品ダメ、肉はダメとなると、タンパク質どうやってとるんでしょう??。乳製品で採れる栄養(牛乳乳製品の栄養分析表データ)はいろいろありますよね。肉はタンパク質がたくさん、果物はビタミンやミネラルの宝庫。これらをやめるのはいいんです、やめるのは。でも、代わりにこれらのビタミンやミネラル栄養素を取ろうとするとかなりの努力が必要だと思います。その努力なしに、乳製品をやめる、果物やめる、肉をやめるをしてしまうと、非常にバランスが悪くなるケースをよく拝見します。

乳製品や果物、肉をやめて、代わりにサプリを取るってなんだか本末転倒ではないでしょうか。

食事に関しては、細かいことは言いません。でも、食事全体を見通した上で、個々の選択をするということが大切だと思います。

また、栄養価の高いものをしっかり食べることは、身体作りに直結するのだなと思うケースが多々あります。このサイトの先生が、がんと食事というテーマの中で『自分ではエンゲル係数の高い生活を目指そうと思っています。』と書かれているのは印象的です。私も同意です。(参考サイト→UMSオンコロジークリニック

体重

BMIを測定してみましょう。BMI18.5を下回らない様に、23以上の方は少し減らす努力をしましょう。ご自身の感覚でちょうど良いと思っても、ちょっと客観的に見る必要があると思います。案外軽すぎの方が多いです。不妊治療希望の方で、BMIが18.5を越えたところで自然妊娠というケースを何例も経験しています。体重が増える様な身体作り、そしてそれなりの体重を支えることの出来る体力が大切です。

BMIをチェックしてみましょう。測定はこちらのサイトで→BMIチェックによって自分の肥満度と標準体重を確認しよう

運動

運動のポイントは、継続的であること。足腰を鍛える様なイメージおこないましょう。運動をしましょうというと、運動好きな人はやり過ぎ、運動嫌いの人は何かと言い訳をしてやりません。実は私自身運動嫌いなので、ダメダメ項目です。ただ、皆さんの身体を拝見して、継続的に運動する人は身体が若いのも実感します。まあ、やり過ぎて壊している方も沢山拝見するので、ほどほどってのは難しいんだなあというのも実感です。

足腰を鍛える、手足末端に気を持って行きすぎない(体幹が10,手足が9のイメージ)

運動好きの人はやり過ぎない、運動嫌いの人は継続的にがポイントです。

ストレスコントロール

ストレスの解消、ストレスとどうつきあうかはとても大切な問題です。しかしながら、身体作り、体力貯金をしているときには、よ~く考えて欲しい課題でもあります。

ストレス解消!と称して、温泉に行きます、ディズニーランドに行きます、海外旅行に行きますとこういったことを繰り返していると、ストレスは解消されても、疲労し、体力はなくなり、いっこうに身体作りが進みません。ストレス解消には、お財布も、胃袋も、体力も使っちゃイケないのですよ。そうしないと、ストレス解消の悪循環で、いつまでも前に進みません。

我が家のストレスフリーはにゃんこ先生です。食べて、寝て、なでなでを要求し、虫が飛んできては鼻息を荒くして、眠たくなったら寄り添って寝ます。にゃんこ先生を見習って、ストレスフリー道を極めましょう。

鍼灸、自宅のお灸

私自身が患者さんとして、週に1-2度の頻度で鍼灸治療の手入れを受けています。身体のチューンナップという感じ。自分の一番の弱点をみつけてもらい、手入れをします。その上に、ほぼ毎日、背中へは、らくらく灸というお灸を使って手入れをしています。日々の身体作りを積み重ねることは、気持ちよい毎日を過ごすためにとても大切です。

治療院では、体外受精の胚移植をしてから、毎日ご自宅での棒灸をお勧めしています。特に妊婦さんには必須のアイテムです。(妊婦さんの場合は、不妊治療、妊婦治療の経験が深い鍼灸師に直接指導を受けて下さい)

お臍、中注、関元などのツボを選んでもらい、毎日2回しっかりと棒灸をして、下腹部の血流アップを狙い、女子胞の生命力を充実させましょう。