私は、治療室で鍼灸治療をしています。
お体を拝見し、証をたて、鍼とお灸を組み合わせた治療をしていきますが、お灸には、そういったアプローチのほかに、古来より、いろいろな伝承的な使い方、やりかたも存在します。
また、一般に、お灸といいますと、皆さんはどういったイメージをもたれるでしょうか?。せんねん灸のような、ものかな?
あるいは、お年寄りの方の背中などにある、大きな馬の目の跡のようなお灸でしょうか(^^;)。
****************************************************************
お灸には、いろいろな種類があります。
半米粒大にひねったもぐさを直接皮膚に据えて使う直接灸
まるめたもぐさなどを、患部に布や紙を隔てて、あてる温灸。
手軽に使える、せんねん灸のような隔物灸。
このせんねん灸は紙の台座を使いますが、紙のかわりに、生姜やニンニクを台座に使うと、生姜灸、ニンニク灸の出来上がりです(^^)。
また、もぐさを棒状にまるめ、あたためる棒灸。
ちょっと毛色のかわったもので、植物のかぶれを利用するお灸もあります。
私の庭にある、センニンソウなどは、扁桃炎によいとされるお灸の時に使うのですよ。
****************************************************************
始めに紹介しました、馬の目のお灸は、打膿灸といいます。
背中に大きなもぐさを据え、ひたすら耐え、大きなヤケド跡を作ります。
そのあと、より化膿するように軟膏を塗るのです。その傷が治るときに病気も治るという、なかなかハードな世界です。だんだんみられなくなりましたが、その流れを汲む治療法というのは、まだ存在するようですね。
とっても興味深いものだと、私は思っています。
さてさて、そんな興味深いお灸ワールド。少しづつご紹介していきたいなと思います。