弁証論治:

0127:反復流産 冷え性、頭痛弁証論治

症例集→生命力(腎気)が弱めで冷え性、流産を繰り返す(38歳出産)【case:0127】

・問診
37歳女性 身長158 体重52 血圧124-85

主訴

反復流産

他に冷え性、頭痛を治したい。冬に手足先が冷える
自分では年齢やストレスが反復流産の原因だと思う

食前の空腹感は時々、食事はおいしく、腹がはることはめったにない
間食は4年ぐらい前からチョコやスナック菓子などを毎日
飲酒は月に4,5回、お湯や水を飲む、
大便は二日に1回、出きらない感じは時々、軟便
小便は一日5,6回残尿感がよくある、色は黄色
夜間尿はいつもあり2時と4時の2回
寝つきは悪く、夢をよくみる、寝起きは普通
翌日に疲れが残ることがよくある。
初経は14歳
月経は昔から38日ぐらいの周期で、7日間ありそのあと少し続くこともある。
生理前7日ぐらいに胸がはり、イライラし、精神的に落ち込む
排卵時には左の下腹部痛がある
生理痛はない
生理は粘った膜、血液がある。
生理から14日ぐらい出血が続くことがある(茶色、黄色っぽい感じ)
→一回目の流産後それはなくなった。
先月の流産後からまだ出血が続いている、昨日生理が来た。

・・婦人科について

生理周期にともなう体調不良はない
28日周期7日間
排卵時期に下腹部痛があるときと、ないときがある
生理痛は1,2日目
生理の色は濃い、親指大の固まり、量は普通、2日目が多い
不妊一般検査は特に問題がない
自己抗体の数字が普通の人よりも高いと言われた
自分でタイミングをあわせて1年病院でのタイミング指導5回、人工授精3回
化学流産2回

・時系列の問診
子供の頃から小学校6年生までしもやけ。神奈川に引っ越してなくなる

むかしから.足の先が冷える(現在まで)

高校から週に1回ぐらい左頭部痛、肩こり→一日ぐらいでおさまる(現在まで)

34才で結婚。もともとあった体重が3キロダウンし51キロになる。

36歳から妊娠希望
1年後、妊娠 8wで心拍見えず自然に出血
☆流産後出血が止まらないまま一ヶ月ほどして生理がきた。
その後、生理のあとの出血が7日程度で終わるようになった。
半年後8wで心拍見えずに自然に出血
☆流産後出血が止まらないまま一ヶ月ほどして昨日生理がきた。

・体表観察

・・脉診
歯痕あり
戦アリ

・・腹診
心下つまりアリ
肝の相火なし
裏肝の相火きつい
臍:冷え
皮膚全体がうすっぺらい

・・経穴診
手の皮膚薄い
足の皮膚 うすい つやがない
内関 左奥が冷え
列缺右<左 こそげ 左合谷 こそげ 左外関ややゆるみ 左陽池冷え 公孫 こそげ 三陰交冷え 足三里 ゆるみ 平たい感じ、広がりあり 左水泉 やや冷え ・・背候診 大椎盛り上がり 風門陥凹 身柱から神道 発毛がきつい 左胆兪 底に板があるよう 脾兪 抜け陥凹 胃兪 抜け大きく陥凹 腎兪 やや陥凹 気海兪抜け 背中 温 ・五臓の弁別 ・・肝 冬に手足先が冷える ストレスが流産の原因だと思う 生理から14日ぐらい出血が続くことがある 子供の頃しもやけ 生理前にイライラし精神的に落ち込む 高校から週に1回ぐらい左頭部痛、肩こり→一日ぐらいでおさまる(現在まで) 戦アリ 左胆兪 底に板があるよう ・・心 心下つまりアリ 内関 左 奥が冷え ・・脾 4年前から間食は毎日 臍 冷え 皮膚全体が薄っぺらい 公孫 こそげ 三陰交冷え 足三里 ゆるみ 平たい感じ、広がりあり 脾兪 抜け陥凹 胃兪 抜け大きく陥凹 ・・肺 列缺右<左 こそげ 左合谷 こそげ 大椎盛り上がり 風門陥凹 身柱から神道 発毛がきつい ・・腎 反復する流産 冬に手足先が冷える 残尿感がよくある 夜間尿がいつもあり2時と4時の2回 翌日に疲れが残ることがよくあるいy 月経が38日ぐらいの周期 生理から14日ぐらい出血が続くことがある 一回目の流産後から生理から続く出血はなくなった。 子供の頃 しもやけ 裏肝の相火きつい 左外関ややゆるみ 左陽池冷え 左水泉 やや冷え 腎兪 やや陥凹 気海兪抜け 背中 温 ・・気虚 歯痕あり 列缺右<左 こそげ 臍の冷え 身柱から神道 発毛がきつい ・・風邪の内陥 大椎盛り上がり 風門陥凹 ・病因病理 主訴は妊娠8wで2回続いた反復流産である。 昔から足先が冷え、神奈川にくる小学校6年生までしもやけが出来ている。 高校時代からは左頭部痛や肩こりがあり、肝鬱気味の素体がうかがわれる。 またもともと月経周期が長めであり、夜間尿が2回もあり、腎の陽気不足を 中心とした気虚気味の状態であった。 34才で結婚後、間食を毎日するようになったが、逆に体重は3キロ落ちている。 気虚気味であるため、間食は脾気に負担となり、体重の減少となったと思われる。 1回目の流産後出血が止まらないまま一ヶ月を過ぎ生理がきた。 その後、月経が7日で止まるようになった。流産によって下に通じることにより、全身の肝鬱がとれ、 下焦においては子宮を中心とする衝任脈のバランスがある程度とれたため出血がとまるようになり、 一回目の妊娠が一年近くかかったのに比べ、かなり早く6ヶ月後に2回目の妊娠が成立したと思われる。 しかしながら、2回目の妊娠も流産となり、一回目の流産ごと同様に、 流産後の出血が1ヶ月ほど続き生理が来ている。 妊娠ー流産によってその後の生理の状態、妊娠が成立しやすいなど、ある程度、下焦において 衝任脈のバランスは取れた状態になっているとは思われるが、やはり、もともとの 腎虚を中心とする気虚気味の素体が補われることがなかったため、二度目の妊娠の流産となり、 気虚気味であり腎気も不足していたため、流産後は一ヶ月あまりの出血が続いている。 また、いつごろかは明確ではないが風邪の内陥もあり 気の上逆は強く肺気への負担ともなり、これによって腎気はいっそう弱り、 妊娠の継続が難しくなっているのではないかと思われる。 弁証: 風邪の内陥 腎虚を中心とする気虚肝鬱 論治:省略 ・治療経過 週に1度の通院、4ヶ月後に妊娠。 8w つわりがきつい→つわり治療 19w 喉に違和感があり、空気が上がる感じで食事が通りづらい 23wから逆子ー27wまで。28wで治る 30w やっと妊娠前から体重が4キロ増えることが出来た →間食も小さな食事として、食事回数を増やすように指導 30w 再び逆子に 31w 治ってきた感じ、お腹が突き上げて苦しい。 33w 赤ちゃんが小さめと言われた 34w 頚管長短め、ウテメリン処方された 35w 頚管長大丈夫と言われた 37w 2600㌘はあると言われて安心 38w 1㎝頚管が開いた 39w 無事に3000㌘弱の赤ちゃんを出産 おめでとうございます。